可憐なる黄色い花は幼子の ブーラブーラミニブランコの如く
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503 君の洗濯で 目が覚めて  タバコを蒸す 露台502
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苦しみて 高ぶる熱の ほとばしり さることながら 沁み来る陽射し
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正しさを忘れてしまったこの春にただできるのは眺めることだけ
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朝日より漏れしがごとき細川も拒む堰なき海の泡沫
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寒明けに嬉しいこと豆食べる 鳩がいるなり平和な春や
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画面越し 遠くの国にいる人よ 今日もあいさつ ぽえぽえぷぴー
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三月になったとたんにあたたかい 懐の方もあたたまってくれ
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この冬は霜は三日雪はなし温かいのにウイルスは来た
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マスク顔仮面の街が現れた得体しれない微小の恐怖
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怖いのは君を失うことだけで失った今なにもそれほど
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やはらかくゆるやかに吹くはるかぜにほころびにけり辛夷のつぼみ
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‪言葉より触れて伝わる種族にはない悲しみがまた一つ、ころん‬
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嫌よって言える相手のいることの甘い響きでイヤイヤをする
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春の川淡雪トロトロ消えてゆき 我のわだかまり融けてゆくなり
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岬の浦伊勢エビ老舗並びおり 五千円マーク五万と見違う
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春の土匂い起こせよ井戸の底 はさまるカボチャホイと手に取る
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‪みんなみんな幸せになるひとりだけおいていかれるなんてもういや‬
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蜜月のつごもりがたはささめ雪かたみに苦い夢を見ている
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あなたへの手向けの言葉見つからず思い出見返し夜が明けていく
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秋の日はつるべ落としといいますがでは冬の日はなに落としでしょう
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夜10時一通りやることを終え三十分だけ遊んでみるか(スマホ)
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緊急と不要不急が重なったクロワッサンの膨らみを
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「今日という日はもう二度と来ないのよ」そうやってまた叱られたくて
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卒業歌うらごゑにして春あさくきづなや愛を信じさうになる
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春畑うねる波のよに耕かされ 可愛い芽を出し実る夢見る
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もう何も怖くはないさ 屋根裏のワサビを味方につけたぼくだ
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「すぐに好き嫌いの軸で考える奴が嫌い」なお前が好きさ
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身心をふかく湯殿に焼きいれて麻留田マルテンサイトの剛直を得る
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お飾りに君とあたしを並べてみる 三月の節句人形の手触り
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