風船の易く吹き飛ぶ始まっていない恋にもすがりたくなる
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ぼさぼさの毛並みのままでいる幼鳥ぼくにてっきり巣立ちなど来ぬのかと
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丸まって ただそこに寝ていた三角耳 今はもういない 大好きだったよ
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たちまちに歴史となった、みなさんが痒い名乗りを上げていたこと
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O2を 吸ってCo2を出す ただそれだけに 使う体力
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金剛の 心と言われ 苦笑い 実は意外と 砕けやすいの
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この間 餌付けしてみた 野良猫は 僕を見かけて 頬すり寄せる 
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まるで今までに歩いた道程が自分のものじゃないようで笑う
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伝わらぬこと伝わってこないこと遠くにいても近くにいても
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欲しいのは手放しの自由ではなくて100mの鎖、あと小屋
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かたかりし冬の結ぼれほどきつつ鳴くややよひのうぐひすの声
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正常位のまねごとをする子どもらに祝福よあれ ひかりに満ちて
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三月のれたすせろりはふらんすの 少女のごとし生のまま食う
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この街にたしかミスドがあったはず 春一番もきっと吹くはず
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松の木のひょろりと残り語るかに あまたの人の消え去りしこと
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いつの間にか合わなくなったあの人はまた明日ねがさよならでした
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‪「本日のマスク納品ありません。次回の入荷も未定となります」‬
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薄桃のたわわに揺れるタラコの実 我が身に注ぐ命のスープ
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令和にて 世間を賑わす 流行り風邪はやりかぜ コロナコロナと 猿も騒がし
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卒業のあくるひ髪を染めにゆくきみのひとみのかがやける春
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蕃殖はんしょくするかんむりしとど世を濡らし都市の空気を(不)自由にする
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慣れすぎたかたいふとんの肌ざわり 指はまた梱包材を割る
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メルカリで買った心が不良品で、すぐに時間を止めてけつかる
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寒空をまどう土星をつかまえて夜這いをかける夢をみました
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おいしさに免じて許してあげるけどとんじるじゃなくてこれはぶたじる
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はだしでしか歩かなかった頃のわれガラスも石も傷が覚えて
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いつの日か瓦礫の山に初花の咲く日ぞあらん酒酌む日々も
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女房は来年古稀で愛人も還暦まぢかの高齢化LOVE
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はつゆめのつづきを生きてきたけれどいまだに逢えぬ片恋のひと
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一枚の花札の如く桃の花 仲春に咲けり皆立ち止まる
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