綺麗だと出会いも恋もありそうでわざと私は太っているよ
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高鳴りを髪で隠した2人きり薄れつつあるオレンジのきみ
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営業の先輩・佐藤政さんの 頭がにょきにょき頭がにょきにょき
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初めての彼との花火大会の花火は一つも覚えていない
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お昼すぎ すこしお出かけしたくなり キップを買って特急に乗る
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食べたいものがわからない あまい?しょっぱい?自分に尋ねる
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選ばれて黄泉へ立つのか痩せ細る貴女を想像するは難かた くて
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同族を庇い立てする義理はない  正義でなくとも悪は裁ける
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ポジティブな思考で免疫力アップ 卵が先か ニワトリが先か
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学生の就職先を自慢するこれでいいのかマル経教授
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噛まずに飲み込んでください マシュマロで包んだ僕のきたないきもち
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パワハラで 人事の異動 伝え聞く 真意ははたで 分からないかも
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影は黒青空をゆく鳥の背は秘密の色に耀いており
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そんなこと言わなくていいよそんなこと思わせるこの星が悪いよ
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あのころの住所もらってそのままに文もなき友 お元気ですか
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ベランダにひっくり返ったままの蝉 君は五年もここにいるよね
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散りおわり身軽になった紫陽花が肩の荷下ろせよ ぼくにささやく
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ドーンドーン ビール片手の蚊を払い ちどりあし踏む東四の坂
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女書を知る 虐げられし 女性達 心の叫び 日の目を見るか
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あの人に貸した教科書わたしすら見たことのない部屋にいるのか
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懸命に 話してみたけど 食い違い 腹の立つこと 情けなきかな
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ヒルクライム山登り 壁に出逢えて 苦笑い 気持ちいいのは 天が近いか
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「ごめんね」と涙なんかいらないよ 孫いなくても長男夫婦きみ幸せなら
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ひたすらに ただひたすらに 登りたい 己おのが限界  そのまた先へ
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暮れ切る前 一瞬の薄いブルーに 宵の明星 明日も良い日で
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秋田には しりあい猫の ふるさとで なきごえないが かわりはないか
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朝にだけ見る自転車のあなたにはわたしの姿見えていますか
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弾けもせぬギター抱えて椅子につき自室にひとり 聴いてください
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砂浜を初めて歩いた日のような決断をして君は出てゆく
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うつくしく 生きるあなたの足跡は とてもじゃないが形容できない
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