うるせえよ クソな現実につける解釈 バカにつける薬ねえいっぺん死んでワッショイ
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コロナ禍と物価高で距離が増え音を上げ始めた足をいたわる
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100円の青ボールペン「これだよー」ずっと探してた出会えた幸せ
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背のひくい順序にいれる鉛筆がドレミファみたいにならぶ筆箱
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そう言えば口にしてない「ありがとう」 SNSの「❤」付けるけど
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上弦はDで下弦はCのかた 背負われ 覚えた 幼少の月
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歳かさね分かってきた平穏な日々送れる事の喜び
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綱渡りそんな気持ちで生きている 無事に1日が終わりホットミルク飲む
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愛おしい貴方を想うだけの壁。無くなった今また見えぬ壁
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来年の自分のために学年と名前を分けたシールを作る
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この里に幾世の春を送りぬと問へど答へぬ井手の山吹
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七重八重花咲く井手の山吹を都の人もとへとこそ思へ
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鉛筆を止める自由律短歌と云うのは詩が無ければただの散文
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酒飲もうどうせ限りの在る吾ら死ぬ時あらば死ねばよかろう
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テレビではお門違いのゲスト等がどんな問にも自論?を語る
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目を合わせてもいい理由ができたのにできない今は告白翌日
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色褪せてならば根を張れ葉を開け雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)
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中空のMAXパンチこりゃ何と戻し十倍を買う
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才能に嫉妬する君に嫉妬する 私だけ見て、なんて、わがまま
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炭酸の泡のはじける後先は見つめていても測れなかった
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新入生歓迎コンパで飲酒して死んで悼まれるような果報
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水曜と木曜の間が苦しいの 深夜、貴女の声が聴きたい
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薄紅の桜のついたかんざしを二人選んだ一昨年の春
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ちらちらと湯気に舞い散る粉雪があなたの肩に溶けては又降る
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足竦む横断歩道剥げた白渡った先があしたな気がして
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どうしてか今夜は独り猫駆ける廊下を滑る中空泳ぐ
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明日歯を無くしそうだし堅いもの今夜のうちに食っておこうか
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分かるけどわたしそんなに悪いかなあ 歪んだギターで塗り潰す夜
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驚安きょうやすの警戒色のレジ袋 くらしの中をペンギンが飛ぶ
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一線をこえたらどうなの かけおちに成功した母のひと言
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