天ぷらを揚げるのあなた下手くそねそう言われそうな人生でした
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満ちて なお積もる哀傷 「愛」はどこ? 薄紅月ピンクムーンの夜はふけゆく
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真夜中の急な来訪こんばんはあの日抱いた罪悪感です
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母さんは君ら二人を産んだのです。でも生きるにはもう無理だった
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サブスクのマイリストにあの人の好きな映画を追加してみた
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息子にも娘にもそう。いつか来る血縁よりも強い何かが
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孤独とは世間と隔離するでなく ついて行けない事情なのです
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大通りのソメイヨシノが散ったのち脇道にそっと咲くヤマザクラ
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かならずや生きて帰るとつぶやいて7時5分のバスに乗り込む
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うぅんうぅん ひゅぅんひゅぅん びぃんびぃん うぇんうぇん とBDダビング
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エメラルドシティへ至る道筋を示しはしない銀のパンプス
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初対面その印象の確かさよ日に日にひとへの祈りが翳り
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いつだってぶつかる準備は出来ている曲がり角を曲がる少年に
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わたくしの愛するものが愛されるそういう世界でわたしは生きたい
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薄紅を刷いた花弁が散り落ちて大地にキスを 愛を 愛を
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雨の朝 桜並木で ほお濡らす 流れる涙 わからぬように
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この世界目を覚ましたら終わりだろ正気で生きるなんて狂気だ
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土日しか逢えない仲をうらやんで 不倫をかさねた若き日のわれ
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ひどいのね「冬だけ君が好き」なんて ライチョウひつじ布団らの怒り
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威圧する二匹の象の剝製は左がインドアフリカは右
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「うるかして」意味を聞き取りかねたので関東炊きとパンが夕餉に
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あの人と別の寮ならもういっそ「アズカバン」って言ってくれよな
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旅立った瞬間に間に合わなくて きみのたましい翳りなくあれ
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見上げれば枝切られた木の影濃くきみがいる気がした黄昏時
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何処見ても思い出だけがよみがえり 涙とまらず空に無言さけんだ
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古民家で 俺と一緒に暮らそうよ   エアコン無いのは ちょっと無理かも
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きみがくれた本の背表紙つとなぞる哲学だって解るふりした
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僕らまた言葉に引き裂かれてばっかりだ。たった1人の孤独を抱けよ
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散り落ちたうすべにあつめるおさなごの 花化粧するやわらかい髪
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君の見る楽譜は全てヘ音記号 僕とは違う世界に生きる
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