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快速の窓を駆け抜ける木の電信柱よ 父を知っているかい
3
砂浜の傾斜は海へかえりたいわれらのこころ、春を踏みゆく
11
上がらない雨はないって言うけどさ、
生存バイアス
(
終わってないもんはさ、確かめようが無くない?
)
、そういうことでしょ
5
サバンナの夕日がやけに郷愁だ、前世はゾウかなんかですかね
5
たわむれを母に語れぬ我ゆえに 耳と受話器の距離が広がる
4
向かい風 負けるものかと 仁王立ち ふと振り向けば 追い風が吹く
1
最初から「止めておけば」と繰り返し言っていたけど それ見たことか
1
迷信
(
jinx
)
も貫きたれば
教理
(
dogma
)
なり
死
(
よん
)
はいらぬぞ
来
(
きた
)
る卯月よ
1
ガラス越し 唇くれた 君の目に 光る涙は ダイヤも勝てぬ
1
優しさは 相手を思う その心 それだけでもう 優しいんです
3
国も民もなけれどおれは王として立つと同時にそのように在る
6
菜種梅雨夜の外出迷いける 隣の施設入るに乱れつ
1
お月さま、
白粉
(
おしろい
)
ぬってさしあげる。クマがひどいわ、夜更かし
駄目
(
メッ
)
よ。
3
はっきり聞こえた。メトロの車内で、喧騒の向こう側から。「ブシモ♪」
0
「この国では成人だから」細い指で
長耳
(
エルフ
)
は毒を
喫
(
す
)
って咳きこむ
2
「警察を呼んでください」いつのまに布団の上で西陽に刺され
4
握った手 力強さと 温もりが ひとりじゃないと 教えてくれた
0
いよかんは いよ
か
(
↑
)
んなのか い
よ
(
↑
)
かんか 議論してたら別れ話に
5
ジャガイモを半分にして灰付けて 子供等喜々して種植え付ける
2
断薬と燔祭
catarrh
(
カタル
)
胎
(
はら
)
のない
性
(
せい
)
青いザクロ裂いた 冥界
3
きっと君は今頃私を忘れてるその唇も他の誰かに
2
何層も何層も重ね合わす夜羽衣みたいに薄くて脆い
1
オリオンに比べて僕はちっぽけで 坂道の途中で溶けてみたいな
3
構わずに
鳥
(
とり
)
囀
(
さえず
)
っているのですパンデミックの朝が来たのに
2
幾重にも私を包むオブラート、君の胃液で溶けて、おしまい
3
中国のコロナと北のミサイルと 凸凹コンビが世界をめざす
2
あからひく興行/叩打 十畳にストリンジェンドする前臼歯
2
別れよう 彼の言葉が 落とせない 無理に擦れば 傷口ひらく
1
快速がゴォオと走り最初の日見上げた夜をぼくは忘れない
2
汗腺のふつふつひらく痛みあり 片手でファスナー下げて漕ぎゆく
2
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