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何よりも 春が来るのを 待っていた 菜の花運ぶ 芳しき風
1
百日のメメントモリは今醒めてcapitalismのお出ましとなる
4
母だから 女だからとむしられて かえりみられぬ彼女の桜
3
決めつけの激しいそういう
気性
(
タチ
)
だから花占いもツツジをちぎる
5
尊重とケアと配慮と承認と敬意 誰もがここに居て良い
7
伝説性によって破壊されたもう一人の私 アクアタルカス
3
頑なに動こうとしないガマガエル こっちにおいで こっちにおいで
1
卒業式クラスで唄を歌いおり オフコースの「さよなら、さよなら、・・・・」
2
さて真木割く
脾細胞
(
スプレノサイト
)
抽り出して白衣のアントニムはサーベル
3
モカ錠のようには きみを
我條脷度
(
このしたに
)
のせてのみこめないよ ごめんね
3
『捨ててやる 海も
蒼空
(
そら
)
もないこんな町』 ネモフィラの花で幻視する
瑠璃
(
あお
)
7
空白になる焼け落ちる金閣を見上げる焦げたまぶたをひらく
2
葦田鶴
(
あしたづ
)
の
鼠
(
ね
)
鳴く函より 引き出でて 炭酸瓦斯に 曝しつつ 皮に刃を入れ 腹を裂き 赤き
脾
(
はらわた
)
取り出でて 絹に裏越し 振ん回し
塩安水
(
ACK
)
に 晒しつつ 赤血球が 破るれば 水足し重ね ぶん回し 脾細胞をぞ 得たりしか
0
みづからの重みにかしぐアネモネや姉も妹も卒業の春
2
六色の地殻かき混ぜ
底面十字
(
クロス
)
から
一層ずつ
(
レイヤー・バイ・レイヤー
)
法で積む
2
いつか黒猫がすわっていたとこにとまって爪をいじるカラスよ
1
冬ぐつをしまい シューズは軽やかに グイグイグイと景色を変える
6
十六歳大人の世界を知らぬ間に 入院したる冬の苦しみ
5
あるちふとらうがひ病みとるむぺんと 歌よむ道のなどてけはしき
5
此の
料理
(
レシピ
)
は多量の
唐辛子
(
チリ
)
と
葷辛
(
ニンニク
)
と
無気力
(
アパシー
)
の
意麺
(
パスタ
)
腸臓
(
ハラ
)
に障るぞ
6
究極のレシピぞ我も極めばや 二日に
一饋
(
いっき
)
食へば足るらし
3
だよねといへばせやなと答ふるきみありてかすみたなびくをちの山なみ
0
狂い踏む音列の名は
利己主義
(
エゴイズム
)
110
・
2^n
(
ひゃくじゅう に に をいくどか かける
)
5
定型詩の職分 灰皿の羽虫 オンライン不死鳥の明滅
3
春あらし去りて弥生の空青く きみ新しきパンプスを履く
9
安全と安心なんてあるものか 命懸けだよ恋と原発
2
春昼の診察室の女医の手に わが手奪われはやき搏動
3
顔しらず名前もしらず齢知らず 歌おくりつけ恋するサイト
2
恋猫と女の放つ絶叫が 夜の闇裂く愛の戦場
2
すっかりかすれたブレーキ音を出すようになった自転車(
4
さい)
3
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