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「110番子供の家」と通学路 昔ながらの通りにありき
0
君と手を組んでみたくて少しだけ速歩きする そんなもう春
3
打ち
棄
(
す
)
てた死体のような
枕木
(
まくらぎ
)
の上をオォイと走る快速
2
弱みなど見せるものかと意気込んでコンシーラーを塗りたくる指
2
否応なくリピートされる悪い夢四角の向こうに祈ったあの日
3
ほら月が綺麗だよってゆびさせば一日過ぎた満月がある
3
存在の 証明証書 あったなら 今この場所で 捨てさせてくれ
1
三月のぼくらはアニメになりがちで、吹く噴く芽吹く鳴く泣く、
温
(
ぬく
)
く
1
折られても 花は咲くのだ 何度でも 九年の月日 春うららららら
4
傷心 見せぬ強さに 迷う君 影は光と 僕は問う
0
図書館に来たが借りたい本たちのリストアップで疲れた 帰ろ
5
みわたせば ここがわれらのふるさとだ なんにもないね なんにもないな
4
ああ今朝も夢を見ていた 懐かしい匂いがしていた 戻れない街
3
露と落ち露と消えにしわが身だってさ そっかぁ俺らも露だったのかぁ
3
いま君は波の下からぼくを射て天のひかりは全てたましひ
7
畑起こしうねりうねりと耕せり 春陽を浴びて遠く見渡せり
2
飛梅よ 主なしとて 常世に舞う 先行き見えぬ 我を後目に
0
右を行く 夕日の君の背 振り返らん 僕は左の 道すがら
0
傘ささず 出て行く君を 見送ると 強がる振りの 頬濡らす
1
知らないという幸せをどかどかと歩く上階の住民はもつ
5
振り向かず岐路に立つ 君 消えた先 ずっと見ている 鳴るクラクション
1
責められたような気がしたときにこそ縛られている
拘
(
こだわ
)
りがある
6
横たわる線路が無数の枕木で無数の夢を並行にみる
9
桃の花丹精込めて植えられて ささやかな香り仲春過ぎまで
1
ゆきやなぎ咲きそめにけりわが妹が衣はるさめ降りみ降らずみ
1
嘆いても 西へ太陽沈み落つ 暗闇拒んだ夕日残して
6
軽やかに呼ぶ声遠く春の余波 水槽越しの呼吸困難
2
くつひもは踊り出せども散り散りになることはなし かたや桜は
4
歌えないカナリアなんてほつとけよ戀でもすればまた謳うから 2020-3-9
3
白酒に酔わされ抱かれ紙の雛 一夜の恋の明ければ川へ 2020-3-9
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