散り急ぐピンクの切手風に舞いあなたの髪に届くといいな
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カンピョー巻き父と二人で食べにけり 「素朴な味が一番だ」徒云い合う
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冷蔵庫のブゥゥンとうなるモーターがが心臓の音に重なる
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きってみろきってみせろよきりましょうタイムカードで一刀両断
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片足に引っ掛けられた下着ゆれ揺れにあわせてサルサを踊る
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黒髪の乙女になれどおともだちパンチは依然使いこなせず
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壁掛けのSchadenfreudeゴハンのお供 憎らしいお前の貌を西日が燃やす
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大雨の降る日の川が突然に見たいとはだかの君言いし夜
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君の体表をコインで削ったら登美彦のヒロインが出てきた
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「死の開花信号受信しました」と答えてさくらはじめてひらく
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ぶちまけたフローリングの白ごまも再来週には芽吹け、と笑う
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「心にも無いこと言ってごめんね」と。心があるから言ったのでしょう?
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青い朝踏みしめてゆけアスファルト コーヒーの空き缶カランと捨てたら
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乱世にて救世主の徒が現れて 桜の小学生清められたり
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「肩甲骨 羽 出し方」の検索を天使じゃなくて人間がする
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知っている 明けない夜がないように沈まぬ昼もまたないのだと
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照準が満員電車でゆれていても乱射しちゃうぜ恋とマシンガン
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泣きやめば夜明けのそらに星ひとつ睫毛のさきからやがて眠くなる
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ごちゃごちゃのカバンの中の桃ののハンドクリームつけてにぎる手
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早起きのケサランパサラン窓の外Aquariumのメダル筐体
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君の横でストッキングの伝線がパンデミックよタクシーが揺れる
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リュウグウノツカイのごとし快速よキラキラひかるパンプスの先
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パンプスで花びら踏まず帰路ひとりけれど毎朝わくわくすんだよ
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あなたとは死にたくないとハンドルを切る指ながめ恋が終わった
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冬物を奥へ奥へとしまいこみ終えた私を嘲笑あざわらう雪
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あかねさすむらさきいろの花の咲く庭に出づれば日暮れのおそき
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歯の痛いナイチンゲールのごとくけ、悪意・嘲笑・快楽の聲
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朝焼けに溶け出す叫びとこの涙いつか誰かの言葉におなり
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シュニトケもヒンデミットもオネゲルもないプレイリストを見ている
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止まないかもしれない雨の一種である抑うつリアリズム仮説が降る
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