この店の一番人気えび天の 握り差し出す 新入りの人
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何を以て我が楽しみとす 酒は少し賭け事やらず女を買わず
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年二回 あるかないかの据え膳の 友の作った 黒豆の艶  
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ぜんざいのお餅いくつ?と尋ねられ 鏡開きをググる平和よ
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去年からやってるパズル千ピース 行方不明の猫の前足
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お年玉もらえるなんてこの歳で 嬉しさよりも大きい幸せ 
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起承の起、序破急の序を作れずに失敗知らずと豪語したって
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鏡餅型のプラスチックの底を開け「鏡開き!」と夫婦で笑ふ
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幸せは小さいものと知りました 雪に水玉 南天の実の
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「早いね」と困ったように笑う君 自販機の音で目覚める街
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HBで白紙を埋める三十分 行の隙間で君を殺した
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牛乳を注ぐ女が世の中の白を少しずつ増やしていく夜
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魂を 震わすことが 出来ないから 今夜も僕は 溺れる酒に
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安らぎを 求めるだけの 眠剤の ただ一包に 眠りを賭ける
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趣味だとか 好き嫌いだとか それなりに… 何かと問われば 答えられない
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もしいつかいつかがあれば幸福な君を見守るために咲きたい
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きらきらとネオンサインの厚化粧ここにいたっていいよと告げる
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刃物にも似ている暗さと煌めきの夜より冷たかったあの言葉
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まだ普段の生活に戻りたくないグループワークとゼミ報告書と…
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ひとごろし それをしじする にんげんと どうつきあって いけばいいのか /ネタニアフとイスラエル民
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さびしさは涙の海の深海魚ひかりも声も届かぬところで
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驚いた 二人のニュース 平安へいあんを 自分達じぶんたちまで 幸せになる
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暖房を点けてない部屋足元の布団をめくり湯たんぽ隠す
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たわいなくテレビの声に話しかけ 家内近くにいないとしない
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「もういいよ」木に顔つけて呟くあなた百数えても止まない嗚咽
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起承転転転転…と花びら振りまき回る人生がいい
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ちま猫の爪痕残るしろき胸 フミフミ跡と思へば愛し
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耳たぶの窪んだ穴が愛しくて彩らずとも貴方は素敵
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かわいいというだけでこの家中を支配している最強の吾子
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来年の今ごろわたしはどうやって生きているのかおそろしくある
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