だけどさあいや違うあれは嫌おはなしの軟着陸へのみちのり遥か
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ありふれた社会に出荷されていく かつて処女だったものの肉
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それはとてもシンプルで美しい、「ただ生きて死にたい」という夢
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ざらついた歯を舌で舐めながら見る 朝焼けのなんと美しいことか
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指の間をグリンピイスはこぼれ落ちぽろぽろぽろと記憶の底へ
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さ緑の思ひひしめくさやのうちグリンピイスのつぶやき聴かむ
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蝶番外れて悟りが開いたり閉じたりしては余風を誘う
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星の降る夜が点滅せよと言う 朝には消える天賦の才
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朝生まれではないらしいその人の声だけはやけに明瞭だった
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おるがんとはあもにかの流れそむそふぁみれどんなこともできると
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寄せた膝 背に触れた指 笑い声 出会いがしらの見上げた横顔
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スイッチのそばから糸を垂らす蜘蛛つぶしてしまった 愛をください
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いてもいなくても同じ人。かき氷とけきる前に食べて洗った
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山河破れた夏空に二ケツする中学生としなる釣竿
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「好きかどうかわからない」と喚いた私から溢れる好きの気持ち
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どこへ行くにも音楽と一緒の私は季節を知らないんだ
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なんか悲しくなって飲めもしないカフェラテを買った 子どもだから
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着たい服【越えられない壁】似合う服 好きな格好で生きていけたら
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思慕の情、募る想いをそぎ落とし やっと送れたひとこと「元気?」
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持つものも持たざるものも それなりも どうせ死ぬから今日を生きよう
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少しずつピアスが膿まなくなって夏私も意味ある傷口になる
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母おらず父の背のみを見つめてた私も大人にならねばならぬ
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恋をして心に傷を付けあってその傷口を舐めあう僕ら
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はあもにかたゆたう音を隠せずにおるがんの音がそっと導く
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夏の夜 スカイツリーに降る星はあの日のあなたとわたしの残骸
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生かすもの殺すものなお満ちつ引き 気圏のしたで濡れそぼつもがり
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目を閉じて均した暗闇においても悟りは右下にある気がする
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芥子粒の弾けてかいな組み付いた 痛みの星座ざわめいている
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紙擦れる音のみ手のひらに収まり一寸後ちょっとあと風はあちらに去ぬる
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自閉さん 静かに流れ黙々と過ぎるは貴方独りの時間
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