猫舌で猫背で料理するときは猫の手だのに俺は人にゃん
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僕の伯母化粧が下手でいつ見ても気の毒だけどオバケショーです
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「ヌリカベ」と陰で呼ばれる厚化粧落とした時がまさに妖怪
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膝小僧古傷見つけお湯掛けて洗い流してくれる二歳児
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喧嘩した日の日記書くのは気が滅入る蒸し返すよう振替休日
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向日葵の橙を待っている約束 空襲の朝に鶏が鳴く
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言えないと少女の悩み抱えてはできた生傷「ああ、癒えない」
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ジワジワと 歯軋してる 知らぬ間に  痛みも無きに 歯はすり減りぬ
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わたしのことは忘れておくれ いつか土に、星になってしまうから
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ひたすらに独りは愉し西の陽の傾くほどに窓に入り来て
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いわ走る垂水もかわく秋は来て きみがふもとに咲くほととぎす
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この世にはいない人への恋に似て天体観測は少し切ない
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「嫌い」とか「好き」とか奴の気まぐれに付き合わされる俺の心臓
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息を吸い、吐くようにを傷つける君は呼吸を止め会いに来る
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在り方も顔も喋りも良いけれど男の趣味だけ終わってる推し
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私のね 心を掴む 詩を紡ぐ それはもちろん 中原中也
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誰もいいとか思ってないが9月17日は俺の誕生記念日
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救われたい そして誰かを救いたい 空虚さの果て 邪悪さの先
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召し近し彼女はかつて恋をして泣いて笑って子を育てたり
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この三字 孤高か至福か いや歓喜 迷った末に涅槃にしとく
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七色に花色変えるアジサイが最後に決める涅槃の薄茶
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創始者だ 「厨短歌」を思いつく 検索したら「厨歌」ある
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出汁取った煮干しと昆布を皿にのせ しめしめおかずが一品増えた
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変わりゆく彼に恋していたけれどお前が変えたとなれば疎ましい
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優しみのナイフかざして傷つける私を罰せ赤い三日月
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服を脱ぎ着てまた脱いで着る朝の後始末のため折り畳む夜
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人生は引き算よりも足し算で 積み上げたいな、と今を生きる
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故郷は遠くにありて感じられ 空気と同じ地元に住むと
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倖せの尺度を探す四十三 子百歳まで生きたいと言い
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夕方に洗濯物を入れる日を特別の日と思えたら吉
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