ジャスミンをまとわせ皺も干す前に洗濯機なら俺に任せろ
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君にだけ 教えてあげる、ほらわたし ここのとこだけ 窪んでるの
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矛盾と転がりながら命日を生きるため朝はれるや舌に
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目薬を差した半目の虹は溶け涙で流れきみはちゃんといる
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峡谷に落ちて挟まる腕は枷遺かせのこして還る隻腕せきわんの父
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恋愛の真似事ばかりが上手くなり長い息継ぎ溶け出す爪先
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わたしはね 自分で作るもののうち トマトスープが いっとう好きよ
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破いたら どうしようかと思うのは あなたの歌と 本の帯だけ
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上前を はねられてると 気づかない 白いピアノで ありたかった
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心無き アンドロイドになれたなら (AIだって、歌は歌うし)
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「今年はゼロかと思ってた」なんてこのチョコを数字で喜ばないで
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マルボロの染み付く髪とてのひらと耳に焦がれる嫌煙けんえんの私
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サンダルの少女ツユクサに足濡らし天上の銀河と交信す
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屋上ではためいた旗にくるまって着ぐるみ少女はすやすや眠る
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もう二度と流れ星には祈らない 君の呼吸が楽になるまで
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ゆっくりと歩むあなたのたましひがずっと一緒にいられるやうに
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拝啓 カール・セーガン様 僕には何よりあの子が眩しいです
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すれ違う私の方が非力だろうけど高校生きみは歩道側を行け
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嘘はヤだ、嘘はヤだけど僕だって「あなた」とわらううたをよみたい
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癒し方分からないままぎゅうぎゅうと痛む心に千羽鶴折る
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大丈夫。ダイヤモンドもにんげんも焼けば燃えるよ雲になれるよ。
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ムカデなら何とか殺しておいたから、 お願いすぐに帰ってきて
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等分に切れぬビッチがメンチ切る少食もいる気のいいteenやつら
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「世の中で一位の菓子」と婆様はバタアクリヰムだけ知る少女
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善良で 無垢な人らの やさしさで かろうじて走る 世界システム
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バスの中誰もいないが僕ひとりスマートフォンと睨めっこして
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夕暮れに音もなく剥く意味もなく指の逆剥けしのばせている
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真夜中に赤信号を律儀にも止まる車が愛おしきかな
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物語とは命日を生きると云うことたましひを手にとりあゆむのみ
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白線の上を歩くの邪魔しないで  踏み外したら死んじゃうんだから
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