幼き日部屋に舞い込む蛍火は 露草にすっと置き灯る夜
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マイク越し読経の流れ母送る 背の丸まった友の悲しみ
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手のひらで掬った水彩画の中で過ぎ去った日々を想い出に流す
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ネガティブな言葉を今日も吐き出すと 君から届く夕陽ゆうひの写真
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「お母さん、もう無理みたい。行けないや。」校門前の 電話でひとり
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泣きながら母を求めたあの頃と 何も変わらぬ24
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暑い午後カランコロンとアイスティ涼しい音で溶けてく心
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寝具干し好物作って心待ち 母ちゃんなんてそんなもんだ
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もう水着着ないけれども行きたいの 波と潮風あの日みたいに
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ひっそりとでも誇り持ち咲く白い花十字を切った清浄の花
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優しさを己が誇りとするならば焦がれ朽ちてもひたむき進め!
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暑すぎて外出しないと決めたから化粧水と乳液だけだよ
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読みだした本の続きが気になって真夏日に巡るブックオフ
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楽しいこと わからないけど 生きてるだけで なんかもう 愛おしいじゃん
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るさいなぁすいませんてば夏だから許されるわけねえじゃんか、空
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予定はなく ベビ猫拾った緊急避難の時のため 子猫用ミルクを常備する我
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銃口を突き付けられて生きている もう良い撃ってよお願い撃って
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誤魔化しに誤魔化しを重ね生きてきた 結果がこれなら罰なんだろうな
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現実にひっぱたかれて目が覚めて 何者でもない私に成った
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人伝の話だけど、と語り出すゆらゆら炎が横顔照らす
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夏前に サクランボ狩り 収穫だ 優しい甘さに 大満足成り!
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三十一文字 収まらない怒り 短歌にする でも字余り まだ怒ってる
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坂下の公衆電話で長ばなし 最終のバス上がる坂道
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国々や宗教で名が違っても地球上には神様ひとり (個人の見解です)
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テレワーク システム部門は出勤し 使えて普通 不通で矢面
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晩春に忘れ去られた粗大ごみ 持ち主不在のNGシール
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残酷な 時の番人 無期限の 別れを裁き 姿を隠す
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酸性の劇物で死んで紫陽花になろうよ 私、水色がいい
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最近は何をやっても感情がひたすら虚無 ぢつと手を見る
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東京にそろそろ、きっと慣れたよね?想いの揺らぎ止まりましたか?
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