波と雲とみまがひ白の御伽へと入れる空跳ぶ兎の話
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悲しみを薄むるものは時とふを信ずる人のカンバスのあを
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さっさっさすたこらさっさとおいかけるきみのいやがるかおがみたくて
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銭湯でサウナに詰めしタトゥー人砂時計見ず出て行く私
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‪遠雷の 音の鳴る夏の 夕暮れは 鉄と水底 仄かに香る‬
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ここ以外すべて空室かのような(ここというのもセミの脱け殻)
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日航機コミケ帰りのオタ達が薄い本持ち帰らぬ人に
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木道路 落石岬おちいしみさきへ向かう先 草木も僕も汗かきながら
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ばらばらにちらばる記憶繫ぐべく星座の柄の日記帳買う
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今までの恥ずかしい思い出繫いで数珠を作って南無阿弥陀仏
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かなかなと疑問符を集むひぐらしの問ひの答へは誰も知らざりぬ
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気の長きなめくじらゆゑの銀いろのゆるりと延ぶる幻の路
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さまざまなる波にたゆたひ現見ゆ闇と光と花と言葉と
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あなたへと 送るための 歌は今 私のコブの 絆創膏に
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もういないあなたと見てた木蓮の花の名前が忘れられない
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過去形になったあなたをもう一度下の名前で呼んでいいかな
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原罪を二十年間ハイターに浸してみても変化はなくて
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終わりゆく 今日を抱きしめ 離れ去る 最後の今日から 離れられるのか
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バス揺れる どうかこのまま できるだけ 遠回りをして 景色を見せて
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ひさかたの星月夜には青の渦巻けるゴツホへみな眠らする
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プリキュアと仮面ライダーを見逃して頭痛に悶える酒雑魚の朝
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救われぬ社長目線の労働者軍師目線の足軽に似る
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何かして落ち込むあなた 「だいじょぶよ がんばったもの それで良いのよ」
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夢を見た 中身を忘れもどかしい ただ涙だけ流れてはいた
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曖昧を曖昧にしか書けないこと愛は未だに気づいてない
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遥かさを思い知るときひらかれる門の向こうに獏は佇む
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海の中にも坂道があり十字路があり信号がありみんないる
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籐椅子で眠るあなたはだんだんとずり落ちていき白紙に戻る
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かつてなら天皇陛下がやっていたことをそつなくこなす海亀
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圧倒的多数派であるこのせいもわたしが生きる唯一のせい
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