正直に生きては駄目だ「付き合えない」「好きなんです」はどっちも言えない
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この夏がずっと続けば良いのにと言ったあなたが居ない夏が来る
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「あなただけ見つめる」という向日葵のハガキに書いて出せないでいる
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電子の砂漠にて あなたの顔も見えない 144p
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逢ったのは天気雨の日  手をつなぎ 確かめたんだ三時間だけ
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サイダーの立てる気泡の儚さと短い声の理想的生
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ぼろぼろの指で針先動かしてフェルトでくるむ精神の綿
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おいしさを意味あるものと感じずにピザの喜び捨てる部屋角
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簡単に撤回される現実に何を信じて生きていくのか
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心臓が地球の核と繋がって弾けて全て終わってほしい
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僕の父 両手が鎌の 新人類 何故だか僕は 足がバネ
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蝉の木が伐採されて音の無い夏を迎える 夜が明けない
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宵のうち モスキート音を くぐり抜け ビール差し出し 「あとファミチキを。」
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梅雨雲に置いていかれた残り雲寂しそうに日差しを遮り
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光速は彼の真横を飛んでって一瞬のうち永遠になった
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改札に 止められ見やる 我が右手 suicaあるとこ 社員証あり
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つらいです もうやめたいです 高校生 クラスでハブられ もう何回目?
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夢いまや時間だけでは手にできぬ立てた旅程に友の声濡れ
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君はもう夏の暑さが分からないそれほどまでに冷たくなった
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霧散する痺れる午後の坂道に彼らが見ている情景描写
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梅雨が死にビールと線香の煙篭った熱は馴れ初めの風
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風鈴の音で救われる命今年も夏と会うことができた
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言葉にも心地よい住処があって露出を好む傾向にない
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ねんねまえオヤツはかならずほしいのね ねこたち並んで冷蔵庫の前
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おはようとあなたが言うの奇跡かと見間違う程素晴らしい音
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優劣をつけて楽しむあなたには所詮わからぬ儚い恋を
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喜びを受け入れるほど正しさを主張できない割れている皿
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神様に祈る両手に深々と突き刺さりゆく指先の骨
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忘れたいことこそじっと忘れゆくことの辛さが深く刻まれ
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運命の僅かな変化期待して歩く散歩のひどいかなしさ
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