あははと笑うキヨちやんに私も笑顔を返すけれど心の中は切ない
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正太郎まねたる吾は不忍の池之端にてカツレツを食ふ
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曲がるたび屈むごと今日ガタゴツン物にぶつかる物吹っ飛ばす
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ピン刺しにほんのすこし沈ませた5本に磔にされた蝶
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撫でてくれ オヤツもくれる 「おかあちゃん」 ねこたちそうそう 忘れはしない
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三夜ほど わが猫と眠りて 何度めか 外せぬ所用 また戻るからね
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コリントの信徒への手紙 読み返し 迷える朝の道標とす
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宅配まち たいして何もできぬから 聖書を読むか 応募ハガキか
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不条理のまかり通る、世の中で、真面目に生きて、何が悪い、言いたいヤツには、言わせておけ
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犠牲者の絶えない戦争の、報道で知らせられない、本当の数、歴史の中に埋もれて、悲し
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病を得て隣人となりの友は施設へと居住を移す紫陽花の時
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孫の顔早く見せろと母が言うボケちゃってるわわたしは喜寿よ
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爽やかな朝の散歩でヘルメット拾って見たら中詰まってた
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ひとつづつ かたづけて得る たっせいかん もえないごみの日 もえるわたくし /オハヨー \ (^.^) /^
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空蝉の 人の命も はかなかれ 厭世主義者の あさまし戯言
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8年目 笑い皺よる 君といて 僕の笑顔も 同じようかな
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明け方に眠るあなたを抱きしめて 寝息を聞いて わたしもねむる
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あたたかな きみの重みを 膝に受け 岸辺のうらら 春に微睡む
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朝風呂のなんと気持ちのよいことかさっぱりとして今日を過ごそう
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ぼうっとする寝起きの身体無理に起こしシャワーを浴びて温まる朝
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目元まで長く伸びた前髪を邪魔だと言いつつ伸ばしたくもなる
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息深く肺に入れようたっぷりと酸素を吸い込み今日も生きる
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眠る君横顔美し寝息立てまつ毛の長さを綺麗だと言う
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お出かけを楽しみに待つ君に言うもう二度とない桜を見せて
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赤味噌の味噌汁飲んで一息つくこの瞬間がいちばん大事
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夏が来た限りなく広い青空の入道雲で天気を予測
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忙しなく巡る季節に置いてかれ私は未だに流氷に乗る
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俺たちと 一人称で 括られた 二人は今も 待ち合わせする
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桜咲く並木路を闊歩する今日の私はイキイキしてる
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すっくりと咲いた隣の立葵陽当りいいがうちのは咲かぬ
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