我々の地上食には手がかかり未だサバ缶をどれも越せない
2
家族葬 結縁けつえんなくて道端で往く霊柩車をずうと見ていた
0
「何もかも身体があるから悪い」溝が現れ跨ぐしかない
1
廊下からレンジ前へと移動するヘソ天前線冬を告げる
0
気を遣いすぎるから そうならないようにしようと思って また気を遣う
4
さようなら 逆算からなる いまさようなら
0
流行り歌口ずさみながら歩く君バニラスカイの専属モデル
0
「絶対にやめた方がいい、あんな人」 何度言われても聞きいれられない。
1
週一度決まった曜日に会うだけの 居心地の良い野暮な関係
1
向日葵は枯れてしまった雨の後きっと君から言うね さよなら
8
制服の擦れた袖口いじっては誰かを待っていただけの秋
1
うろこぐも受けきれない太陽 ひ のひかりは気を付けないとくしゃみの原因もと
1
ここはあなたの夢の果て 非常ベルまでもこんなに優しい音で
2
感情の七号線の渋滞をばら撒き散らした赤をください
2
もう君に手紙を送ることもない 海のシールが空を彷徨う
1
歌によせ鉢花ひとつ幸福の覚めては蜜の残り香よすが
1
土曜日の午後のカーナビどこまでも赤い点滅消えないシグナル
3
全て一秒を永遠とわと偽るため飛ぶ鳥は墜ちよ叫びは潰えよ
1
十月の冷凍庫にもし入れるならスムーズにトーク出来た日の僕
1
太陽と顔を合わせず生きているあいつはどんな顔をしてたっけ
0
液晶の画面が暗くなるにつれ見えてくるだろ自分の顔が
3
靴を脱ぎズボンをほうり上着もポイ 最後に靴下 ベッドへの道
0
目を閉じて耳を塞いでも無駄です逃げ場はないです死んでください
0
オレンジの月待ち人の来ぬままに もう三日もオレンジのまま
1
エアコンをつけるかどうかに迷うほか何もできずに夜を迎える
1
早くしろ私を急かす仕事たちスマホも急かすログインボーナス
0
ただ辛くたためぬ仕事山積みで靴下たたむ気力もないです
0
応酬の向かいの列車に惹き込まれ身体はレールの循環の上
1
所詮肉 所詮水分とタンパク質 砂山の上で起きてる茶番
2
ずっと友達でいたいと思ってた もうすぐ枯れる花に遣る水
1