幾重いくえもの春夏秋冬過ぎていく 心のスクリーン主役は貴方あなた
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闘病の やつれし人の かんばせよ 微笑み返す 我も嬉しき
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キミがもし 俺の分身だったなら 消えてもいいな 君といれるし
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“犬受診” “子供の部活” “PTA” 主語が“私”の予定なき手帳
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姉弟、母、3人寄れば なんとかね 文殊の知恵だ 本日決戦
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考える事多すぎてパンク気味 予定やりくりで 精一杯で
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ご利用は計画的に あと八日金欠に効くペヤング大盛
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恐竜が絶滅をした原因を身振り手振りで三歳に説く
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「アレクサ 俺を眠らせて」は成功した。起こす方法を忘れてたけど
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102歳天寿を全うした祖母は 会いに行くたび牛丼食べてた
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週末に長男夫婦泊まりに来 年末のよに大掃除する
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バス電車飛行機再びバスに乗り 母の居る街へ十時間かけて
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雨音を 好きだと告げた ベッドの中 雨男なんだ そう笑うきみ
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朝背おうリュックのサイズこれからも背負って生きる光あつめて
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あの星もついに青となったので、発破解体の依頼を出します
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猫砂の袋封切り切り取った欠片で結ぶ俺だけだろか
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くすりにも毒にもなりぬ言の葉は もちゐる人の色をうつせり
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うつぶして 空五倍子染うつぶしぞめあはに なみたの色で月を染めなむ
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七時二十分豪雨が降ると予報鳴る 長距離移動する日の朝に
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くもり 碓冰うすひの空の雲閒くもまより きざはし天使みつかひの立つ
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若者と試験に臨み焦り立つ 記憶の衰え 白髪を見る
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雲の上、太陽サンサン輝けど、地上へ届く気配すらなく、傘を忘れて、少し後悔
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寝不足の朝に瞼は「ずん」と重く こじ開けるメスは朝陽の光線
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何卒なにとぞ何卒なにそつって読むあの子とはきっと生きてる世界がちがう
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下を向き スマホばかりを 眺めては 目の前にいる 友を忘れる
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「ねぇ」と呼ばれ僕の名前は無くなって名無しの権兵衛と名乗ろうかな
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生き急ぐ 魚群を眺め 待ちぼうけ 駅のホームで あぶくを吐いて
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傘もなく雨に降られてずぶ濡れで なんだか楽しいゆっくりこう
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階段を上るたびするパチュリーの土の匂いをさせとく仕掛け
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春夏秋冬三月さんつきごとに移りゆく季節を感じる日本は美し
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