もうだめなときは母音に濁点を付けて泣くから気づいてください
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朧月 ぼんやり見える 月光に 綺麗と気づいた 二十五歳
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diff わたし あなた を今日も くりかえす なんてことない ふりをしながら
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スキンケアを 始める前の ガサガサな この手を見つめ 君を思い出す
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浴槽へなんだかな~ お湯を入れる準備が何でも短歌に 出来ました聞こえるよ 風呂の蛇口を僕の心は 開いてください狂ってしまって
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失えば 生きていけないはずのもの あまりに多く失い過ぎて
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「俺はアジ」 イワシの群れで泳ぎつつ となりのあいつは 「俺サンマだし」
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文末の(笑)を個性と呼ぶのなら くれてやるからトイレに流せ
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ちょっとだけへんてこな服が好きです そんな風に暮らしていけたら
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「傍観は黙認」という癪だけど否定できない論理があって
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飛びつくと抱き上げられて顔を舐め「犬臭い」と言われ動きつづける尻尾と心臓
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靴下の左右が微妙に違う色そういう男子が意外と好きだ
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ビー玉の音に重なる相槌もただ好きなだけ全部夏のせい
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曇りの日 月も星にも会えない日 まるでわたしとあなたみたい
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幸せを 見つけた人は 幸せと 云うほかないよ 彷徨える人
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満足は 明日になれば 幻に 飢えて乾いて 彷徨い歩く
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十分な 恵みを受けて さらになお 求めて止まぬ 人の本性
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他人から 称賛受ける 快感を 求めて止まぬ 人の本性
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トゲナミダまあるく舞台にくるむごと電気仕掛けの六花りっか降る降る
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傘たたみ少しふるって水気切り傘立て入れたら抱きしめていい?
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陽のあたるリビングの位置に祖父がいてのんびりゆっくりカピバラになる
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この庭の蝶が夜明けをめくり上げ抜け出せぬことを知る秋の朝
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「さむいね」と冷たい指で頰あてる君でいっぱい秋の体積
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俺のこと見ないふりするお前らの代わりに俺がじろり見てやる
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ドライヤー君の黒髪毛先には微かな色抜け夏を揺曳トレース
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真っ暗な部屋の真ん中で横たわり ブルーライトを浴びているだけ
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きみがおやすみと言ったから 今日はもうお終いにしてまた明日あした会いましょう
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聖人の一断よりも千人の愚論を そういう賭けだったはず
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愚かなる 妻と住まいて 老いるうち 愚かな自分 情けないほど
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不幸だと 嘆きて一人 悲しめば 他人はそれほど 気にもしないが
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