お前たち曲芸団の団員かやってはならぬ皆口そろえ
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泣く暇も 落ち込む暇も 今は無し 生きる術と 心向き合う
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治療中 落ち込む間なく やまい増す 心の臓は いつも駆け足
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此処にある誰にも似ない傷ついた一点物をわたしと呼んだ
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「あたりまえ」のことやるだけがしんどい日もありますわなそりゃ。一緒に歩こう
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バイバイと手を振ったあとドア越しの 発車する前長い一瞬
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冬囲い 解かれた枝は跳ね上がり 雪の飛沫が春に煌めく
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寝ころんで本を読んでいる イカルスのように飛ぶが危うい
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蒼穹に白い雲 枯れ山の奥から声が聞こえそう
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まず光 それから音で温かさ 春来る順番アナウンサーは云う
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腐ってる大人でごめん、嬢ちゃんの推CPカプはしょくカレなのですか?
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全員酒を飲んで働けばいい 誰も怒らない機嫌がいい
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この耳を この指先を 唇を 舐めて甘える 愛おしい愛犬
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悪しき世で狡き大人がわれに言う善良であれ真っ直ぐであれ
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ただ石を積んでいくような毎日で積まれているだけマシではあるが
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したくないことはしたくないしたいことってドンキに売ってる訳ないか はは
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日々思うことを分かち合うだけで良いだけと言っても高望みだけど
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何もかも投げ出し南の島に行くすぐに行くので先に待ってて
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期待などしていないわと嘘をつく明日がホワイトデーと知ってる
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末息子 明後日卒業巣立ちの日  最後の砦が無くなってくよう
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会いたすぎて胸が苦しい これが恋か これが愛か 死にそうだよ
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呑兵衛のうちら二人はペアグラス 八周年の乾杯のため
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牛乳を注ぐ女にやや寄せた角度でシンクに煮汁を捨てる
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読めるけど知らない文字を書き加え返信用の保護シールを貼る
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行儀良いお辞儀の代わりに中指を立ててやりたいカーテンコールは
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十二位の蠍座らしい今日だった ラッキーカラーの空が暮れゆく
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広すぎるゆとりは合わぬ 窮屈も御免被る 旅は靴擦れ
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『そんなことない』をどこまで信じてもいいのか誰も教えてくれない
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旅の中 慣れぬ布団で 腰痛め だべる家族で けっかおーらい
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幸福も地獄も同じ形なのどちらも崩れたもう戻れない
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