久々の春樹、「蛍、納屋を焼く・・」を、そろそろ秋の夜長始まるね🍂
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かげろふ立つ 芥の広場 草いきれ 廃工場こうばの真昼 誰も居ない夏
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ねこの目の 瞬膜といふ白い膜 ねむたいときは いつもでている
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すす汚れ すす涙が 渇れている。 泣きつくしたよな 記憶もなしに
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偽ものの笑顔を自分で剥いでいき残ったわたしはきっとかわいい
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日差しには夏を残して吹く風の音に驚く秋は来にけり
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生きてれば ほめてもらえたあの頃を  夢見て眠り 目覚めて泣いた
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秋風に誘はれ出でて鳴く虫の声聞くよはぞ野辺は寂しき
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丹澤たんざはの あは天霧あまぎ彼方あなたには あかねやし此方こなた みなむ
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全米は泣きも笑いもしなかろう私の暮らし地味に名作
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夏っぽい雲がほどけて秋になり パン屋への道指を絡ます
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「もっと見る」押してみないと見えません 怨嗟も海に靡いた髪も
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乗り込んだ始発の客は眠りこけ終わりと始まりが交錯する
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どうですか歌はお気に召しましたか 世界と同時だと幸いだ
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届かない言葉を胸に眠るより涙の意味を探して生きる
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リモコンを取ろうと足掻いたそのあとは 旦那呼ぶでなく 短歌うたにする我
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君の着るデニムに少し憧れて手に取るスカートかわいいと言って
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まあいいか たまに明るくても寝れる リモコン、ベッドの隙間に落ちた
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ちま猫が 足にそっと乗り ねこ母も ホッとするなり ようやく眠気が
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キレのある大門未知子になれないが包丁砥げば自分の手を切る
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よるのうみに うかんでいたことなどないけど そのくらいのさびしさだ
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結局はどちらが美しかったのか 夕焼けと「夕焼け」という語の
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何人も未踏の峰のいただきに姉羽鶴アネハヅルのみ知る空の蒼
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触れ合って知る 私たち絶対に、にぶんのいちのまんまだずっと
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マニキュアが塗られていない根元だけ自分の爪と確信する夜
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髪の毛がハネてることも気にしないあなたのことを気にしすぎてる
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側溝のせせらぎ 耳に入れながら 微睡む 夏の終わりの夜に
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我が息子 欧州研修 旅立つ日 孫はホームで 泣きじゃくる顔
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失せ物を捜して三日諦めの悪しき女に夕餉迫り来
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愛煙家 ニコチンパッチで 脱タバコ 会社に言われて やめるのは1ヶ月
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