五月七日少し誕生遅刻かも 憂鬱な世間浮かれる私
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効率にコスパタイパと小うるさし生くることこそいたづらなるらめ
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あゝまた やっちまったよ 前髪で 明日あしたからは 眉毛を隠す
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死にたいと言ったあなたの手を握る  死なないでくれと告げる代わりに
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葉ざくらの緑が増して去っていくゴールデンウィーク子らに逢えずに
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兵士つはもの故郷くにに歸ればよき隣人同じき人ぞひとを殺める
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神西清のチェーホフの訳の美しさ詩情の豊かさを誰かに伝えたい
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この庭に 色をつけたい カラフルに 愛しい種と 好きのシャワーで
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小雨烟り宇宙の存在に思いを馳せる深夜一時鉄のような黒い夜
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腕に抱えた子供の存在の重さに励まされる日々の連なり
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苦しみという概念を知らぬ最上の幸福苦しまないで莫迦になりたい
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今日こそは早く寝るぞと意気込んで 0時を過ぎたよ駄目そうだなこれ
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生かされているという感覚はまた生きるという根拠になり得る
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烏賊釣りのランプが海に溶けている午前三時に見惚れる灯
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ポストからぼくのお手紙取り出して、しろやぎさんが読まずに食べろ
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気晴らしにつけたゲームのデータには久しぶりに見るあの子の名前
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利用して頼られてると思わせるずるい女は「拒否」にして置く
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茹で上がる菜花水へと離すとき鮮けきみどりの一瞬増せり
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美容師の夢あきらめてハサミ持つ他人ひとより自分の髪ばかり切る
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髪を上げる髪を下ろすを比べては自分も変わると気付かなかった
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浮ついた記憶を奥にしまい込む ロクなものばかり無くて泣くね
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かなしみを払う何かを待っている期待してしまう夜また今日も
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すきなことたくさんあるといえることそれその自体たいせつにして
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特別なことが起きない毎日も特別だったそばで眠る日々
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きれいごとのきれいなところばかりみてきれいなさくらのさくらをみない
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活きのいい鰻を捌く料理人の太い腕八月の空
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久しぶり。君に会うのは五年ぶり。 誰かが描いたPixivの絵に
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生きるのは誰か他人が生きると思っているんだろうお前は
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孫の手の いらぬ昔の 懐かしさ 若さの驕り 肩が語りき
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明日から 日常などと 悪質な デマを吹聴 したのは誰だ
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