冷や酒は後からきいてくるらしいピーターパンはもうすぐ卒業
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僕が欲しいもの以外全てくれたのに 僕が欲しいものだけくれない
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ひと吹きで この香を選ぶため悩む 気難しげな君が見えそう
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きみの写真毎日見ては宙を撫で 柔らかな毛並みのあのあたま
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匂い立つ紅かイノセントな白か 選べないまままだらの椿
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たばこ喫う、やめろと言われりゃ、やめるわよ、いやそれは何?あなたの自由
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火をつけて燃やしてやりたい隣から見たら私も隣の芝生
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カレンダー記念日を一つ追加するもう友じゃない君のバースデー
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頑張って言うのは簡単やってみろやってもできないことも有るんだよ
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独りでも歩けるようになりたくて (ほんとは君に褒められたかった)
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謝罪さえあなたにとって重荷だとわかるからただ目を閉じて泣く
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朝日がね僕の身体をすり抜けて夕となる珈琲フィルターみたいに刻は流れる
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午後63317秒 青が黒になるのを見張ってた
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ファインダー ふちからあふるる 向日葵ひまわり現像出来げんぞうできひろがりを
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その春の一番はじめのふきのとうみたいにパン屋の袋をいだ
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あぁそうだ 変わってないね笑い方 他人のような二十歳の君
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月道を帰る。「成約できました!」 欲しかったのは「おつかれ」なのに。
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嘘だよを好きだよと読ませる夜を繰り返してきたこれは報いだ
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『心配なんだ別れたら僕ら似てるから』 違うよ私が似せてただけ
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いちにぃと 小さな掛け声 注射針 皮膚を突き抜け 心に刺さる
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桜見てとてもきれいと言ふ君の笑みは今日けふも一輪の花
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霜ばしらを踏まないように歩くのに忙しいので遅刻します
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ささくれたフローリング、ごちゃついた調味料、かつて小さかった犬 『実家』
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犀川のほとりに立ちてひたる淵満たすは清き重い液体
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文庫本紙の手触り気持ち良く旅するようにページを開く
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春なんてすぐに去ってしまうのにそれでも「春」を愛しく思う
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この世には祝福された人がいてその反対で僕は生きてる
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こんなにも君のことが好きなのに笑顔で手を振り星空を見る
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「もうみんな嫌い、来世は貝がいい」「えっ、世界一かわいいのに?」
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カラス来て、ほうきをばらして、くちばし挟み、巣作り出来たら、子育てですね
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