みなすべて  吹き散らされて   秋の風 なきごえなきがら この夏の蝉
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学校へ急ぐ制服見送った。18切符はまだ二枚ある。
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感情に轢かれた猿の臓物が五線譜上にまろびでており
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「おーいカラス」カラス黒いや舞台よね 今日も一役演じていたね
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あらざらむこの世のほかの花野にも咲きやしぬらむ曼珠沙華のはな
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今季初、駆け込み乗車のカキ氷。8月32日の夕暮れ。
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秋探し空を見上げてみつけたり ひつじの雲の広がりてあり
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僕の夏のすべてだった今日だってきみにとってはただの日常
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RADWIMPSを聴きながらひとりきりなぜだか君を思い出す夜
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来世では眩い葉月の陽だまりを歩くあなたの影になりたい
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海は多分己の領地を取り返す為だけによせてはかえしている
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夜が明るくて眠れないときみはぼくのほっぺたで涙をふいた
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風邪をひいたときに見る夢のような様相をした花が咲く庭
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エヴァンゲリオンの夕空の色した故郷へ帰る私の車
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言ひさしてふと口つぐむまなざしのひとみのおくのまさをなる海
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靴音は月を睨んで一つきりキライなものはキライだと言う
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まきもせずつむぎもせずに遊ばましガリラヤの野の百合ならませば
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ようやくにあかつかえし焦熱は白雨はくうに振れて宙に躍り出
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「好きな奴いるってマジで? 誰だろう」「アンタにだけは分からないわよ」
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あの人の面影のないこの街で今日も私は死に損なった
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幼さを求められても返せない 大人の私は嫌いですか
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青春の跡を探し頬なぞる スーツの君と制服の私
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何もかも全て投げうってでも欲しいOfficial髭男dismの声が
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をりとりて髪にかざせる花ばなのいのちみじかき恋もするかな
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泣かなくていい日にようやくなったから好きな色のアイシャドウを選ぶ
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今日の日を乗り越える為幾重にも傷ついてきたのかな私の心
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夕方の夢はブラックホールへと 入る心地してなお生々しく
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荻窪を通り過ぎてく特快を見ればあなたの悲しさが分かる
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「これが俺だ」と言い張れるのは いつもお兄ちゃんたちがそばにいるから
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盆休み五人分の洗い物嬉しくなる日が来るなんて
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