晩酌の芋を転がすどうすればいいのかなって考えながら
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普段では会えない人を引き合わせ見届けたあと散る桜花
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生きていていいって桜が言っているような気がしてごめんなさいね
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コンクリのあの湿った地下へ降りてゆくそのひとときが一日の幸
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古傷をホワイトリカーに漬けていて飲み干すための味見をしてる
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早朝に思いめぐらせ窓を開け冷気を感じ花まだ咲かず
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山村の荒れ田の中の里桜しづかに咲きてしづかに散りゆく
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冬のため 人の気持ちは 遅れ気味 季節の速さ ついて行けずに
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すでに花 若葉が出れば 春来る 人は遅れて 春を感じる
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太陽が いつものように 降り注ぐ 同じはずだが 気持ちが違う
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早春の 朝に畑に 出たところ 日曜なのか 誰にも会わず
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生命と赤い果実が地に満ちてマルゲリータに創世記あり
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誰からも選ばれもせず🀇🀏ヤオチュウのような生を逃げてきたので
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ツィゴイネルワイゼンが聞こえ来る歯をチャッチャッと磨きいる時
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雨の日も傘を手に散歩 犬は晴れの日よりも喜ぶ
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人類で 薄めてあおる なさけなさ 主語自分 では 濃くて飲めない
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飛行機の 隣の席で はしゃぐ子は 十年前の 私のすがた
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おはようの 声でまどろむ 6時すぎ 列車は進む 神待つ国へ
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もう溶けてしまった白い雪の玉 君にもらったブールドネージュ
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山笑う 私も笑う なぜかって 2匹の蝶が 交尾してたから
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春が好き いつからなの 前世から 桜の下で しんだころから
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気になって外させ奪った眼鏡ごし あなたの裸顔わたしの裸眼はおそるべし
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ときめきを忘れずいよう君の眼が輝く ショーウィンドウに映って
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電車乗り 海見てカフェ行き温泉も 君との疲れはおだやかにゆく
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いつの日か記憶は褪焼茶セピア色になる それでも君は愛してくれる?
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抱きしめた僕の胸へと吹き抜けたベルガモットの香りの吐息
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花の発情期の香りただよへば上気のぼせる顔をマスクで隠す
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進むだけ 僕が見つけた 世界線  陰も陽も 栄養にした
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満開の枝垂れ桜に隠るごと命削りて老梅の咲く
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卒業にかかわる機会ほど遠く 自身の成長感じない春
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