叫び出し大泣きしたい夜脱いだ服思いきり洗濯カゴへ
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自意識の渦から逃れ抜け出せる「無名の忘我」で短歌を創る
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何者かになりたい自分 有名になりたい自分 僕俺私ぼくおれわたし
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背後から君にそーっと近づいて全力で見舞う膝カックン 「っ!?!!?」
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ふたり秘密の合言葉「今日直帰」素肌にスーツまとったときの
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非モテには難しいのが「褒めること」自分を褒めよ小さく褒めよ
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やればでき やらなきゃできはしないけど 結局やりはしないのだろう
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空を見ろ!! とりか?ひこうき? スーパーマン!? よくみろあれは おおきな雲だ
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漱石があんなことを言ったから「月が綺麗」と言えなくなった
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がたんごとんゆられゆられてどこいくのだれもしらないまちへいくんだ
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普段ならあなたに分けてあげるけどこれはだめなの雪見大福
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東空ひがしぞら燃ゆる炎 また一つまたたきながら消えゆく星よ
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炎天下アスファルトに ぽたぽたり染み込む汗の濡れ羽色なり
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曇天の空の重さは如何ばかり ナラトド沈む野付の荒野
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こんな日はお化粧をして花柄のワンピース着て失踪したい
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雨上がり雲の間に覗き見る澄んだ水色汚れなき色
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勉強会 机ひとつで はんぶんこ 机の影で お膝のキッス
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ブニュエルにシュヴァンクマイエルベルイマン巨匠と待ち合わせの名画座
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帰宅即すべてベッドに放り投げて蜜月の合図金麦とキス
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野うさぎは淋しいと死ぬのはご存知で?あなたの前では私はうさぎ
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すごろくであがりし人の 手遊びに振り回されて駒が磨り減る
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ねぇ君は知らないだろうから教えるねクリームブリュレは焦げ目が美味しい
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忌み嫌う社畜となる我が身かな眠気とるためカフェインとる
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サッカーのサの字も知らずわたくしは自分の世界にいていいですか
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けだるくて 雲もゆっくり 木曜日 早く終わって 週末へ向かえ
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さらさらと月日が乾いて灰になり、あの日の蛍はどこに行ったの
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ほんとうに素敵に冷たいあのひとに「冷たいひとが好き」だと言った
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梅雨明けに少し淋しげ佇むはレインブーツとお気に入りの傘
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浴衣着てラムネわたがしりんご飴花火平成最後の夏だからこそ
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のしつきで贈られた悪意を丁寧にくるみ直して返す初夏
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