老化する 時間に一人 抗えば 惨めな姿 哀れに見える
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正月が 終わったはずが 今日もまた 家でゴロゴロ ネットでチャット
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ねこのため 何日分かの水・ゴハン 寝室にも保存「もしも」に備え
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風渡る葦の枯れ葉に雪の花咲くや浪速の春の面影
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塗炭の夜 火燈す舟の行き交いに 寝ぼけまなこの月が沈みぬ
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君のこと隠すみたいに降り積もる 秒速50cmの想い
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今日は見る 日本産の スポーツカー オートサロンの 帰りだろうか
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雪積もる岩の掛け道跡絶えて峰に嵐の声のみぞする
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窓辺には彼の気配を置いたまま売り家になった葉牡丹の庭
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雪時雨 こんな天気の事だろか 「50分後に 雪になります」
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勝手に思い出なんかにするなよ 滲む街灯へたくそなラララ
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ニトリにも無印にも置いてない君の右側似てる枕は
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コロコロと風の流れで変わる向き 僕のこころは軽くて丸い
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電車に揺られ、うとうと結構幸せだっりして。
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日常に被災地以外もどってる どっしりとした安心感で
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指先を天に向けてはもっとだと何を欲しがる冬枯れの枝
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ばちばちとタイヤ鳴らして雪の無い舗装路をゆく黒軽ワゴン
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雪止んで暮れかかる空山の彩旅客機の音白鳥の声
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すれ違いざまつばを吐き通り過ぎてくウオーカー夕日が綺麗
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こんな日は誰にも会わぬ散歩道歌うが一番泣くが一番
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この心 踊らせるのに 才能は 必要ないと されております
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吾輩は猫でありつつテレパスで ご主人様のココロを読むにゃん
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独り身で働き趣味を謳歌する 長男の生き方もありっちゃありか
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スマホ鳴り「今から向かう」長男の声に仕事の疲れ瞬時に消える
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窓付きのリビングのドアから覗くねこ つぶらな瞳がオヤツを問ふて
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若草といふ名も春らし うつくしき 茶道の名のあるお茶菓子なるや
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チラシにて ふと目を止めた 未知の菓子  たまたまネットニュースに上がり
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ぐるぐると寝てても頭仕事中夢にも残業代をつけてよ
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体重計片足上げて乗ってみる減るわけないか減るわけないね
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明日の夜には怪獣になるからあなたの温度と今日でさよなら
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