秋夜空、雨粒流る機窓から何光年もの天体を知る
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ほんとうはだれがあの子を殺したの?「それはわたし」と鏡がうたう
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ひとの手はなにかを隠すために在る例えばわたしのこんな気持ち
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段登る 見えない鳥居 後ろすら振り返れずに抜かされていく
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地を見つめ 血まみれナイフ離せない 空の青さが嘲笑う日よ
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欠点を一つ二つと数えても 月は二十九日は欠けている
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日常の酷く陳腐な言葉さえ 5日ぶりなら心に染みる
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薄明に憎悪ばかりが立ちあがりうみのはごろもはしづかにゆれる
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体温計こめかみに当てルーレット 「36℃」まだまだ死ねない
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気づいたね 影が延びきる その前に 一瞬で永遠を手にいれる
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青空は青にとどかぬ青なれどわれを残してひろがるばかり
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ぼくたちは秋に生まれた 干し草に仰向けなれば懐かしい空
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納得のいくこたえだけ求めては宇宙の終わりも首を振らない
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カレンダー残り四枚病院で眠る祖父の細い手を思う
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飽きるまで 落ち込んだから 大丈夫 髪も切ったし 次に進もう
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彼岸にも墓参りせずゴロ寝してお萩だけ食べ太り吾おり
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ふと顔を取り戻して居、原初たるスープの泡より生まれ、われらは
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ガキの頃 ひどい音痴と 笑われた 吾いまもなお 歌と生きてる
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気づいてる 気持ちに知らないふりしてる 恋の醍醐味 秋空の下
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波風にかたち消えゆく時もあり たださもありなめる泡沫を
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小さくて 米粒ほどの 親切も 人の助けに なれたら嬉し
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上司との 接待酒に 酔えぬ俺 時計よちゃんと 進んでいるか
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好きな子の 話をしてる 彼の瞳に きっと私は 映ってないね
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偶像アイコンを失くした僕ら もういっそ名も泡沫に溶かしてみようか
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真空を抱いてねむる影のこと (親友、キミに春をあげるよ)
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痛くないけれどここにはいたくない(お家に帰るまでが戦争)
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「短歌やるヤツはメンヘラ」そのセリフ上の句に入れ詠んでやります
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真夜中のフリーチャットに現れて円周率を書き連ねるひと
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火蛍ひぼたるは舞えば舞うほど脆くなり翅が砕けて大地に落ちる
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内臓が見えるくらいに透明な君の隣に居させてくれよ
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