山若葉 色濃くなりて青葉闇あおばやみ 鎮守の森の音無き夕暮れ
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全身に薫風を受けチューリップの花首もぎて春よさよなら
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君さそふ 事のしだいさ いささかに 酔ふことの雫もたれるしおはば
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歌人のたった二千歩散歩道おいには万里カタツムリの旅
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近づけば逃げられないとわかってるブラックホールのようなあなたに
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庭占めて南瓜の花は王冠の実は小さくて飴玉のごと
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今朝こそは 惰眠貪る 休養決意 やはり起きだす まだ58
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空耳か 君が呼んだか 振り返る 田舎の夕方 ミョウガの葉揺れ
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乾杯のあの一瞬を懐かしむ 酒飲まぬ夫と静かな夕餉
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久々にパワポを使ひて講演し前頭葉がミシミシ音たつ
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ALSと知的障害介護から逃げたくてまた詠んでいるだけ
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作詞家を夢見たあの日句に歌に生きているのにボツはギネスで
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初恋をする若さあり句に歌に詠んでも不倫にはしたくない
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静物が 保ちつづける 落ち着きを 脳に焼きつけ 素描に写す
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白髪はくはつが 抗う黒さ 落ち着けた 人好きのする ロマンスグレー
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カーテンのひだのボリューム話し合う若い夫婦のまぶしい笑顔
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想像を 超えない回路 打ち壊し 飛躍を目指し 扉を開ける
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深夜2時 自問自答の 時間です 答えは無いし 正解もない
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一言を 思い出しては 死にそうで 言葉の重み 背負って進む
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ほぼ母はセーフモードで起動きていて忘れた頃に通常起動
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「負けじと〜」の、「負けじ」の部分から臭う古典の要素にふと気づく夜。
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アハハハと笑う先輩、その声は乾いてますよ隠せてないですってば
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電線を地中に埋める計画の途中で死んだ野良猫に墓
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他人だし お互い必要ないのだと 会話もしない、気にもとめない。
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コンビニのBGMでキミ浮かび 朝から涙 出そうで困る/『素顔のままで』
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ダンダラの「誠」の旗に憧れて 嘘は壬生狼に 喰い千切られる
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気まぐれに 姿あらわし 喉鳴らし 背を丸くして 寝る君が好き
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待ち合わせ浴衣姿のキミを見て カタコトになる夏の夕暮れ
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嘘だけを 貼りつけ立ってる この案山子 産まれる物は すべてが嘘だ
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ありえない暑さの夏日には きんきん部屋 布団に入って暖をとる
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