街路樹の向こう側から吹く風が不意に浴びせる夕立の余韻
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食ほそり悩む夏でも素麺と冷菓水菓子つるりなくなる
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蝉時雨 ふと立ち止まり目をつむる 矢の如くゆく光陰の中
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雨粒の落ちる夕暮れ 友と会い 来月つぎの予定を早々決める(飲み会)
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オーレンカ私の生もかしぎおり思儀も叶わぬ色相湛え
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ばあちゃんと ゆっくり坂をくだっては ただ夕焼けがオレンジだった
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遠雷と爆竹響く長崎の 精霊流しの船にぎやかに
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おはようと 左側から 二十年 変わらぬ骨格 髭白混じる
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先生が「努力は裏切らない」と言う 裏切ったら許さないから
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蝉時雨 涼しさ示す ものとなり 蚊トンボ飛ばぬ 灼熱の夏
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何故やらぬ 夏の宿題 今日までに 終わらせてやると 豪語しながら
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中学の テストで五点 取ってから トラウマなった 加減乗除よ/百点満点で…題『学校』
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一億が 総火の玉と 唱えてた 愚かな国家 二度と興すな
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Uターン ラッシュの事故よ 悲惨なり 自分が黄泉へ 逝ってどうする
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指先もそのくちびるも耳元で優しく呼んだわたしの名まで/ 記憶
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振り返る事はやめよう戻れない 前向き歩く私のために
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戰乱の臭ふ 澁谷交差点群衆も靴鳴らしかへらず
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奇蹟のかけがへは誰がつぐなふか瞭然と蘇りなき慰霊碑の石
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神神に主神のあらば 靑藍の仔を降しまづ人間を亡ぼす
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父殴てる馴犬哀し。頸枷に「愛われを創れり」彫られて
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復活祭へにがき蕗煮ていもうとはロザリオなどゆめかけざらむ
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われ義しき國民なれば崇拝すクリスティアーノならず 墓を暴かむ
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國民総戦犯ゆゑに絶たれたる昨年の忠魂碑はたれのはか
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戰犯とは不肖の綽名われいくさに倚らざれども死なず
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敗戦忌 すめらみことへゆくすゑをしめし若き柩工は死せり
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人草絶ゑて弔鐘へ祷る慰霊碑へ霙 皇帝とは誰なるか
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ひと粒のオアシス授けエアメール「ザナルカンドにて」と書かれおり
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君の目にわたしは道だとうつるらしい 早朝四時の大運動会
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ぴったりと背中のくぼみにふわふわの四つ足ちゃんがごろごろしてる
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暑いでしょう お水をどうぞここはもう大丈夫にしてゆきますからね
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