「こうされて こう感じてる僕がいる」「そう感じてる君がいたんだ」
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僕たちの弱さよ言葉で湧き上がれ 自然とあふれ出るかの如く
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「ああ いやだ」自分嫌いの僕が好き ミサンドリック・アディクショナル・マン
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非モテとは依存症です 嗜癖しへきです 「オレはダメだ」にとらわれてるの
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光さす 片側にだけ 目を向けて 見つけないで 私の光を
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古本の 余白に覗く 草の栞 飽きる間もなく ページをめくる
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六年間辛いことばかりでしたみやこの森 また会いましょうさらば我が母校
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銀杏のかたちを知らないてのひらに球体をただころがしていた
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幼少期百貨店へのおでかけの名残りでメロンソーダを未だに頼む
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紋白蝶に指さしだせば触れそうで触れない距離をひるがえり ゆく
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山吹はひかりを求め生い茂る枝のゆくえもさだまらぬまま
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池の面に蓮の花びらとどまって静かに夏が終わろうとする
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アメンボは水の流れにさからって泳いでは同じ場所にもどって
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しらじらと咲く百合の茎縫いとめて小さな蜘蛛が巣を張っている
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あおあおと夏の蓮の葉かたむいて風のかたちを記憶していた
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新緑のどよめく道をゆきながら小さく礼をしてすれ違う
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蓮の葉は枯れかけていて軽ければ風の速さに煽られるまま
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いろいろな椿の花が咲いていてどの花もすこし傷ついている
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枯れてゆくコスモスの花たっぷりと花びらだけが潤っている
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あざやかな色をのこして太陽がすこしだけ早く沈みゆくころ
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秋の陽はきめやかに差し楠の影に隠れてゆく人の影
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夏の音に耳をすませば蝉ばかり鳴く声に蝉の声が加わる
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とことこと身体の軸をみださずに扉のしたへきえてゆく ねこ
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山吹の花びらのゆらめいていて風は風としてそれはそれとして
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古ぼけた赤屋根に紙垂はためいて黒猫はまだこちらを見てる
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色褪せた花びらがなお紫陽花の花のかたちを彩っていた
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五月雨にささやかな影落としつつあなたとあなたの話がしたい
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青条揚羽アオスジアゲハの青あざやかに閃いてあたらしい夏のおとずれを知る
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しじみ蝶は絡みあい離れあいながら草々のさきにふれてはなれて
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揚羽蝶の翅おだやかに振動し何かが始まろうとしている
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