叶わない想いばかりが光るから夜空に伸ばす腕が足りない
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報われない無意味なことと見ていなよ 貫く目の先 君はもういない
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20本。それ以上でも以下でもないもっと切りたいのに無念。爪
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何気なくピンクのハートを送り合う 君とみんなと全てがここに
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人が消え病は残る……わけはなく、言葉も所詮人ありてこそ
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500000000回脳内再生3時間飲んだ横顔だけを頼りに
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見てここがマハラジャん家よこの街のカレー屋仕切る妖しいボスよ
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あなたではなくてあなたに愛されて美しかったわたしを惜しむ
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日常で乱れた回路なおすため温調された湯船に浸かる
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小魚の群れに片手を入れてみて逃げなかったらそれがわたしだよ
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瀬戸内の夕風揺らす君の髪 今も揺れてる写真の中で
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倉敷の水路のほとり散歩道 恥じらいつつもつなぐ手求め
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俺は今日俺であること失敗しちょっと考え「笑う」を選択
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前向きな 言葉は心を 突き刺して 僕の中を 行き過ぎていく
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帰り道君がとなりで呼吸して 圧倒的に夏が来ました
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私たち違う時を過ごしたから「ちょきんぎょ」に求む同時代性
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この森で猫が宴をしていると思えば怖くない帰り道
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ゆるやかに光の中を舞うちりの名もない宇宙の朗らかなこと
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ドライアイス抱く母に添い寝してみる冷たさで分かる死んでしまった
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死ぬよりも生き損ねることのおそろしさに気付いてとうに成人
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降るのなら言葉の雨にうたれたい 私は本に閉じ込められた
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悪い気を払う音を聞かされ気分が悪くなったので きっと私は悪い方
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いつの日かに買い込んだ掃除道具にカビが生えてた
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炬燵布団に開いた歯型にもういない犬の姿を見る
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既読にもならぬふきだし眺めつつ終わりはいつも夢に似ている
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人は皆 等しく無価値であるのなら この世はもっと生きやすいのに
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胎児へと還すみたいに猫を抱く足りないものを補うように
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おはようを淡く重ねて輪郭をつくる君との絵はまだ素描
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さみしさは机の上で首かしげ僕が気づくの じっと待ってる
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妄想とほんのちょっぴりの後悔と朝日を浴びながら不整脈
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