なつかしの同期から、退職メールで新人研修が昨日のように思い出し、あぁ懐かしや、ありがとう。
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雨露に 光し草の まばゆさは 何を照らすか 暗き心に
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遠かれど つながっている 空と海 健やかであれ 笑顔で祈る
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涼やかに前を見据えて街を往くロングスカートは袴にも似て
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帰路 絶交    あいつと瞬間目が合って私の代わりとジュース買ってた
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鈍色の雲間にひょうと口笛を吹けば心の日がまた昇る
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少子化案 あまった予算は 防衛費 そんな仕組みに してなかったけ?
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頼むから  8時1分 起きた朝  やおいタイムと 汚さないでよ
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「太るぞ」と。そんなことはわかっている、だが今食わねばわたしではない
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大丈夫、煙草のけむりに隠してた彼の秘密はもう石の下
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君色の カーテン購入 風に揺れ 乙女の気持ち 口紅がごとく
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海峡を越えたら手は届かないのに船は止まらず加速していく
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追いかけて追いかけて追いかけて追いついてねぼけまなこでぢっと手を見る
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ひとりきり 闇から響く すすり泣き ジャケットひとり 亡き相方スラックス
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子も巣立ち悩みも減ると安心す 他の悩みが…第2章開幕
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夜もすがら鳴く水鶏くひなにや合はすらむ軒端を叩く五月雨の声
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回鍋肉クックドゥでは作らずに当てずっぽうにジャンを炒める
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まばたきの回数ずっとかぞえてる君のことだけ見ていたいから
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ながぐつの「ぐつ」の部分を切り取って「なが」の部分で散歩がしたい
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わたつみをわたるみちゆきわがこひはわびしさのみがわだかまりゆく
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他人(ひと)のゆめ かってかえって こんやみる そんなしょうせつ ギブソン書いてた /「冬のマーケット」ウイリアムギブソン
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命日にいいとこばかり都合よく思い出したら別人になり
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夏の夜の明くるは早き天の戸を間なく水鶏くひなの何叩くらむ
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密やかにしまっておいた片想いなんてことばにおさめたくない
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アーカイブできないんだから現実のものはあまねく残ってほしい(のに)
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短歌詠み啖呵を切って喧嘩して負けて担架で運ばれたんか?
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きみは歌人 になるために生き延びる どれだけ明日が遠くにあれども
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往くがいい、ゆけ、ゆくのだ、美しきさかなよ、私の愛のかたちよ
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もしどんな生き物にわたしうまれても、一人ぼっちのような気がする
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反省の色は何色 全体に霞みがかつた夕空の青
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