ゑんどうの未熟な種子が青々と皿に残るを片付ける夜
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遠退とほそきし街の熱さを話しつつアイスコーヒービュッフェに揺れる
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この夏も儚く散ってしまうのねあれだけ大事に積み上げたのに
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出会いさえなければ別れもないのにと涙を流して出会いを探す
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爪先で浅く引っ掻いた虹色が淡く消え去り私を泣かす
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いつからか瞼に焼き付き離れない君の笑顔はいつも横顔
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差別する心の底に「恐怖心」 憎悪 背後に「未知への不安」
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冷えた手をコモンセンスとつなぎあい二度と会えないきみにさよなら
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ともだちとしらないおとこの子が眠る八月の雨は他人のにおい
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家帰ってもすることないし行ってみようそれが二人の始まりでした
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あぁ芽吹く 心の種が 苦しみを 他の才能を 糧に育つ
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「される」生 僕の道には 小石もない 不便な世界に 餌を貰いたい
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幸せの沸点わたし高すぎて低い貴方と分け合えなくて
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DMM.R18覗いたら不気味に嗤うFANZAのロゴ
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朝の四時半になろうとする部屋は蟬の鳴く声だけが聞こえる
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悪いのはあなたと私二人だけ 唯一無二の共犯者さま
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満月は白磁を割りて雲におき朧のうちに横笛をきく
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垂直に空から落つる無意識はハチドリなりの承認要求
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1と0の世界に支配されながら2となる真青まさをへ鴎とび立つ
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寝たきりの 父の足の爪を切る 猛禽のような鋭さ残る
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この人にも家族があるんだろうなあと想像させる顔の店員
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その先へ跳ぶためにこそ境界に横一文字白線を引く
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服を買う きみと会うとき着る服を だけどまだその約束は無い
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類は友 あのうそつきめ さいごまで 何が本音か分かりやしない
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違うよと否定の言葉出てこない そうならいいと願ってしまった
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くりかえしくりかえし見る窓のない長い廊下をさまよう夢を
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逢えたとき楽しそうだなこの人は 嬉しいのかな そうだと良いな
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知られたら崩れてしまう幸せを剥がして良いの?嫌なら行って
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無理をして貴方を好きでいるよりは私を好きな私でいたい
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つかの間の逢瀬に君が言う「幸」にルビを振るなら「うたかた」でしょう
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