「絶対ね」なんてないこと言う君と「ありがとう」って笑った僕と
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時間には循環しないでほしいので、斜めに抜ける灯籠の列
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無駄を減らせとか言うけど、祭一つやめられないのが我々であり
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藁束を飾り立てては火にくべる まさに「文化」の象徴として
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どのくらい 好きかどうかは 様々さまざまで 人とくらべること、ナンセンス
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ワイヤレスイヤホンがつあいだだけ夢をみれるの どうかこのまま
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どうせきみは私が髪を切ったとて腕を切ろうが興味はないし
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【CM】よほうみて ヒートテックに きがえさせ 湯たんぽきらう ふとんにほかろん
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食べたなら必ず苦しむわかってるそれでも食べたい激辛麻婆
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みのたけを はしらにかいて 唄にある はるごとにあった ひとの刻み目
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糞ひねり肉を喰らいて鼾かき げに恐ろしき人とふ鬼よ
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朝焼けをワイングラスに注いだら眠くなるまで少し話そう
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段ボール どこの家でも一緒だね「ねこのおきにいり」捨てられなくて
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立春か仕事帰りの冷えた部屋 湯豆腐があたためる爪先
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夢をみる力さえ とうに失いて横たわればただ闇が広がる
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秒針かちかち電球ふつふつ知らない色のペアグラスごとり、
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「垢抜け」「ガクチカ」「骨スト」 あぁ今日も他人ひとの評価で息が苦しい
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おまえほどおれは忠実には待てずこうしてひとり雑踏をゆく
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東京の夜風に乗って夜行バス 降りる頃には名古屋の朝陽
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百円を入れてしまって最後まで話しきろうと話題をつなぐ
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肋骨が隠してくれてた心臓を暴こうとするひどいひとだね
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立春の声を聞いたか枝先に律儀に梅の花のちらほら
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陸奥みちのくのまほろばの里に五千年。続く子孫らのいやさか祈る
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焼き魚、カレー、ラーメン、オムライス 匂い飛び交う団地の夕暮れ
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半額の恵方巻たち食いながら 暦の春を独り寿ぐ
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被災地の空は青さをたたえるか 地球の青の全てを集めよ
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美しき言葉を紡ぐ詠み人よ あなたのように私もなりたい
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ちび怪獣なんて呼んでてごめんなさい 来月あなたは真の少女に
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眼差しを遠くに置いて生きたいと 約束していた去年の日記  
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あの人と同じスカート持っている テレビに呟く湯上がりの時
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