見たことないけど懐かしい蛍火と夏祭りの夜ひとり駆け落ち
1
変人の周りにいるのは変人だ そんな当然 反芻をする
6
キラ女からはぶかれ泣いてた小松さん救済措置ははて誰がとる
8
傷つけて傷ついた胸の内 忘れるものかと塩を塗り込む
4
削らないスクラッチくじの結果のようにあのこを見てた彼を気づかず…
5
空欄のうまらない枠のさみしさを線路の上に残す青空
4
幾万の言葉をもってしても尚、貴方に伝う詩をかけない
1
君を思う 時間が増えて 減ったのは 歌詠む時間 いやいや増えてる
4
背後から 肩越しに話しかけた 君の顔が 近くて僕の 心はゾクゾク
4
ねるとんに取り憑かれたよ肩重い「ちょっと待った」は秋のゴースト
1
掘り出しの赤絵茶碗を六つならべ織部の丘の紅葉憶う
3
歯車はもう狂わない最近の運命はみなデジタル仕様
2
ハトなんて白い色だよカラスなら夜に慣れたら平和も同じ
1
月光のピエロ、地球の調律師、宇宙の扉、鼓動の戦記
3
人間が鳥類ならばこの羽はモテるだろうが今は除らねば
2
3分間 あればいいです 辞世の句 詠むので少々お時間ください
5
レンズにポーズ決める瞬間 防衛反応 魂を守る
0
エアコンの生ぬるい風人肌のような不快感と温かさ
1
控えめな 低い位置から ピースする 世界平和を 願うひとゆえ
1
今もあなたが私の神様です 崇め愛する唯一の人
0
魔法しか使えないから無力だ 君に声すらかけられないよ
1
自首します。雨・交差点・行き違い・美形・あいさつ・恐怖症です。
3
「もう寝る」と言っていたのは二時間前 手許の月は四角く光る
1
しあわせも 一番上の棚にあり ぼた餅みたいに 落ちてはこない
1
愛してる、アナタは言ってくれるけど、私は言えない大好きとしか
0
「ねぇ、いつか」 一緒に旅に行きたいね 「うん、いつかね」 そのいつかは永遠のいつか
0
願ってはいけない事を祈った日、チクリと針が心に刺さる。
0
声あげずソマリアの少女泣いているスマホの向こう大地ひび割れ
8
友人と「で、やらんのかい」のツッコミを我先に言うが関西は遠い
8
柿をいただき庭の蜜柑切る初冬仕事で疲れきり食べる間もなし
0