セーラーのスカーフ結んで鏡見るそこにはいつもの私が見える
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うとうとと船を漕いでるその合間知らぬ間に増える短歌のスタンプ
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正しいとか間違ってるとか言われても自分が好んでしたことだから
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学生の稼ぎを全て飲食に酒で溶かしたいい思い出だな
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大通り いつか消えにし バイク店 生き抜くことの 厳しさを知る
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夏というルールで動きだす心 さあ全力を出すとしますか
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社長室と書かれた箱に猫居りて が人を納むや名前の器に。
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教科書にあったかっこいい単語の意味をあなたに教えてあげない
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継ぎ目なくさーさー降りる雨の糸 窓の外にもカーテン紡ぐ
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ただひとつ残った犬歯右下の孤峰のごとく強固に立てり
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ねこを撫で うっとりした表情かお いとしくて この子も神の与えし命
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今日の日も 重荷を下ろし 歩みます いつくしみ深き 友なるイエスよ
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半年ぶりに 三十分ほど 散歩したら 「くよくよするな!」と 空からのエール
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もうすこし このひとときを 神さまに 赦されながら 楽しむ時間
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サウナ 水風呂 外気浴にて 見上げし宇宙そらは 何よりの癒し
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ふるさとの海 島影に沈む夕陽 グラデーションが薄れていく
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たこ刺身久方振りに食卓へ半夏生の恩恵を受け
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北の春告げるほろ苦きヤチブキを もう二度と味わえぬ寂しさ
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神變じんぺんを あふとばり綵色さいしきの イエローナイフの極光きよくくわう
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教会は 次に行けるは いつ頃か 今日は自宅で 礼拝守りたく
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勘違い 妻と言い合い 声高め 愚かな我よ また歩き出せ
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豪華船 貴方に出会い のぞみ知る 深淵の闇 抱えながらも
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はじめおわり おはようおやすみ ねこと交わす ヒトは時間差で 寝てるもんだから
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秋田にて 山に憧れ 旅をする シリアの人に 世界を知るか
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大雨の 音がますます 激しくて ふたりはさらに 包まれていく
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猛暑の日。 扉一枚 あけたなら カランとなって ひたいをわける / 喫茶店
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しまひには たれのこりて見やるらむ 皆紅みなぐれなゐの空の終はりを
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今の祖父 同じ質問 繰り返す 人の名前も 忘れるばかり
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砂浜と一年ぶりの再会に大はしゃぎして駆けるサンダル
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柳絮舞う堤をゆけばどこからか寄り来る蝶は亡母か亡姉かと
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