電線に止まる小鳥は音符のよう ♫♪ファファファファファララ♪♫と音階刻む
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手に負える歌はわたしの歳の数 二十一首を冊子にこめた
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働けど、誰でもよくて、透明で。 ビニール傘は僕みたいだな。
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ただ息をしていたかった それだけで重ねた日々のあざやかなこと
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だがしかし母が好んだバッテラよ蕎麦との相性格別なり/題『バッテラ』
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あと四十首詠んだら歌集つくろうか皮算用で狸と踊る
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バッテラよ回り疲れる鯖と昆布華やかなネタ恨めしかろう/題『バッテラ』
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木苺きいちごの実の外套という不思議な名私を神に返上する城
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何周目? 回り来たるよバッテラが哀れに思いついに手伸ばす/題『バッテラ』
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スシローで流れるレーンのバッテラよチラ見の皆が既読スルー/題 久々の『昔のスシロー』
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だんだんと手足は鈍り気は沈みそれでも私は生きているらしい
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こないだは「帰るね」と言ったから だから残るの刹那の恋も
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ふと見れば妹眠りエアコンのおとだけのに残されて一人
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歌でない歌があるのが恥ずかしく選歌集など編んでねむった
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八人の坊主が円陣組んでいる。ポンデリングがそう見えた午後 /ポンデ黒糖
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のあたる 窓辺でライオンさんのよに 寝そべりおめめほそめる ねこよ
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南風みなみかぜ山の木々の葉翻し入道雲に映える青栗
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この歳になるもあしたのゴルフ用服装選び苦になりません
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格安が取り柄のはずのスーパーで5キロの米が三千円する
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これまでにしあわせな瞬間ときはあったはず なのに一つも思い出せない
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瞳孔を開く目薬落とされて秋の日差しの眩き家路/ついに眼科もデビュー
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夕焼けへ橋を渡って追いかけた目指した地点に涙が見えて
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「ぼく、いるよ。携帯よりもぼくを見て!」君のわがまま かわいくて好き
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きもせんも はらをわりてや こつかはら はかなしかなし しらほねのはら
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一歳が初めて言った「パッパッパー」アンパンマン お熱の今日もしゃべり続ける
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一回は服の前後を間違える くらい肩透かしな恋だった
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子を産んで2年育てた家を越す 壁のシールを剥がすも愛し
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落伍者に口答えなど許されず意思を殺して給料を得る
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何しても必ず裏目出る人生いじめ倒されそれでも死ねず
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日をめくりあなたに会えるその日まで 数えて過ごす夏の空蝉
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