歳の差を気にするあなた、前髪を気にするわたし 野球部の声
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ままならぬ心で池に石をけり 水面に雲が溺れていたり
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動脈の叫び胸から流る「赤」ドクリドクリ今生きているか
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「埼玉に雪は降らない」おおかみが最期についたやわらかなうそ
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被害者にならないように加害者になろうと思う世界で良いか
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イヤなこと麦茶で流しこめたらなぁ おべんと食べつつそう思う昼
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いつか会えたらと思うが叶わない 繋ぎとめたい右腕の君へ
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美味しさを享受するとき浮かぶのがみんな私の大事な人たち
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ひさかたの月のひかりのふる野べにベルガマスクの即興の劇
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見馴れたる写真の青春片笑窪 やさし瞳の君に恋しき
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同窓会などもなされず先生きみは今どこにいるのかわからずじまい
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不幸でなければ歌は詠めない、辛いからこその美しさだろう
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私のことまだ少しでも好きならさ、忘れさせてよお願いだから
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春のらいなぞりてひかる 暗闇の硝子 つめたく濡れた眼差し
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泡沫の 想いを紡ぐは 彼の君に 届けてほしい アネモネの謌
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我が内に 咲いて散り行く 無想華 刻に抱かれし 想い果つとも
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死すことを 願いて眠る 朝ぼらけ 起きては愛でる 曼殊沙華
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あの人と逢えなかったりしたけれどホッとしている私もいたり
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夜も冴えて月影白き路地裏に靴音ひびかせ家路を急ぐ
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旭川 トンボ帰りの道すがら 駅ナカで飲む大雪山ビール
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あいにくの雨に溺れるきみを救うためタピオカの列に並んだ
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「もしかして春に生まれた? きみからのラインの通知のポンはやさしい」
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吹き荒ぶ私の想いを伝えたい 風に乗せれば届くでしょうか
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君恋ふと身も焦がれつつ燃えつきぬ闇夜に消ゆる蛍火のごと
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大丈夫 そう後ろで言い続ける 私の さらに後ろで 手を握っていて
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気持ちと 判断がわけられない なやみのもとは 不安と弱さと 五月雨と
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花が咲き とじたりひらいたりしてる 私も寝たり起きたりしている
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「なべて世は事もなし」なんて君は言う 私の世界を荒らしたくせに
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悲しくて剥がす唇指先にこびりついたのは真っ赤な涙
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グーグルに聞いて分かるなら聞いている 私の未来と明日のおかず
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