さよならとまたねのちがいもわからないずるいあなたがいまもすきです
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原爆の慰霊式典ラジオから届く広島蝉時雨
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こだわらないと言った時点で実はもうこだわっていると気付いてしまった
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めにみえぬ ふうせんあたまに ついていて あおあかみどり しぬととんでく
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柿の葉で包む本音のいろ 今朝も野生の鹿が車道を駆ける
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私こそあなたに会わす顔がない返せないLINE通知は残す
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賛美歌を小声で歌う母のもと ねこがやってきて「アーメン」に唱和
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さびしさを紛らわすため人波にもまれたくなり 外へ出かけた
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誕生日 友のいるバー立ち寄れり グラスの露が飲めよと急かす
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河北潟へひまわりを観に行ってきたが 主役はみんなに背を向ける
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ついと立ち しろき朝靄あさもや 背伸びして あらわれる人 確かめる朝
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碧綠へきりよくの 樹閒このま科戶しなとの風ぬくに 木羣こむらるぎきよまはりけり
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夏雲を見上げて浮かぶ人の顔 いつからあなたに変わったのかな
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あつくって みるまにしぼむ あおあさがお はなのさかりや せみとかひととか
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テーブルに おとしたジャムも あじおなじ どんなとこにも りくつはついて
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なつやすめ セミがせかして言うけれど ゆきちがひとり こころもとない
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もどったら くすりのみおえ めしづくり みょうに既視感 二度目の服薬
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崖っぷちギリギリ精神こころの在処でも わずかなるユーモア失くさずいたい
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「頑張りすぎ注意報」とまたカフェオレ なんだか朝の占いと化す>ブレンディ
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朝イチで 公報よんで せんきょいき セブンによって ヤクルトげっと。
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灰色の 雲間から差す の先に 神様が居ると 信じていた頃
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妹から写メが届く 幼き日 裏庭でんだ 甘酸あますい グスベリ
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ばあちゃんと母親見てておれならば使いこなせる今日から入れ歯
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広告のイラストいいな描き方が真似てみるかと思う日曜
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カーエアコンから熱風がふきだして「なしてどして??」と見れば気温十七度 / 設定二十八度
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眠たくて片方の目をこすったら不意にあなたの声が聞こえた
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学徒兵 雨の外苑 女生徒も 涙にくれて 皆雪崩れ込む
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アッツ島 玉砕の名で 散りし人 今も残りて 恥ずかしむ人
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造形の 風に魅せられ 生きて来た 八十六歳 瞳は青年
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北の女 予定日過ぎし 我が娘 孫の無事をと 我も祈らん
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