少しだけ 歩く速度を 変えたなら 見えてくるはず 別の光景
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横顔に そっと呟く 大好きと 口に出せずに 心の中で
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遠き山 光りふりつむ 青白の すんだ雪は 白き打掛
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視地平の南群はいむぶしをめじるしに風食む鳥は雲居より去る
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密室にずる暴力 その素顔 外側からは決して見えぬ
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ユーチューブ飽きちゃったしな何かないか何もないよな寝て休もう
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ああ今日もタイムラインは殺伐さつばつとしている 僕も彷徨さまよっている
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冬の朝 一片たりとも 雲は無く 最期はこういう 空に溶けたい
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向日葵も 地獄の釜かと 茹だる日の 差し出がましい 浴衣と花火
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本日は我が家より出ぬ段取りで連休いみじうも好もし
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波止に寄す タグの軋みは お互いの労をねぎらう 小さなお喋り
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溢れ出す 君への思い 文字にして じっくり寝かす 引き出しの奥
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幸せを つくろうことが できたって 苦しいはずよ 胸の奥底
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見栄はって 背伸びしすぎた 結末は 全てが消えて 失意の底に
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四肢をて野をひた走る夜明け前 黒いほどにも青くありたい
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にゅるっうわっ苗植えもせず水田に踏んみ足踏み繰り返し夏
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笑うとき目が細くなる好きな子と目が合いそうになって逸らした
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僕たちの詠む歌は日々消費されあぶくのようにはじけてまざ
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ベルベット思わせたのは冬の空ひとつ光ればつぎつぎに次
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死んでいる 僕の心が死んでいる 君の心も死んでいるのか
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今日はもう何をやってもダメだから DVDでも見て寝ていよう
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ガラス越し 口づけすると 思いきや 鼻おしつける お茶目な彼氏
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君のこと 思っているが 駄目なんだ 親友もまた 思いよせてる
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点が線へ線が面へとなるように芽生え続けた君への想い
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体調を 崩し食する ことできず 期限のきれた キャベツ抱きしめ
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平成が終わってしまうと若い声移ろう話題の一つにすぎずに
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ふるさとの気配をスッと吸い込んだ 冬の匂いにマフラーを巻く
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吾輩は猫であるとは言わないが猫でないとも思えないので
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蔓延れるロマンティックラブイデオロギー恋愛至上主義よ滅びよ
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待ち侘びて 日がな一日歌を詠む 生まれしその日 きみ祝うため
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