ホストへて ガーナで見出す 生きる道 スラムの中で ひらめくアート
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八十超え 癌になりしも 世界へと 笑い羽ばたく 実業の人
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眠ってる 価値を見出し 財を成す 失敗さえも 無駄は無きかと
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蝉の声 種類ちがうのが混ざり初め 暑いが夏も盛りを過ぎたか
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水面みのおもを おし照る難波なには澪標みをつくし がるるうらをきみは知らじな
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ミニ財布閉まらなくなり ダイコクのカードをそっとスマホケースに
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明け方の夢でコロナが襲来す 夢であってくれ 熱なんかないよ
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自主避難 子供をつれて 東京へ 心壊れし 自死の悲しさ
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花田はなだなる 大地おほつちかげ のこしては たまゆら朝に褪紅たいこう
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パラパラと めくるページで  犯人を  追いつめてやる  深夜の小説
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カレー食べ齢を加えついにきた 新年早々おもしれー人
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蜂や蟻ほどには社会的でない我々ゆえの自由と苦痛
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平和とはなるべく勝手にばらばらに無意味に死ねることなのだろう
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ある程度離れて見れば炎とは何を焼こうが美しいはず
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おめでとう久しぶりからもう一度回る歯車 年一のボーナス
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立秋の 夕暮れの 自転車 飛びくるトンボも 追い越して
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クレンザー「ジフ」と「粉」ではそうまるで「パウダー」と「砂」その差を覚る
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青春が夏のど真ん中駆け抜ける汗と涙が舞う甲子園
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今日というなんでもない日を思い出す22歳の未来の私
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夏の夜 音なく咲き散るその花は あなたを想う我が心かな
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兄の死を受け入れきれぬ甘ったれ盆の生花を明日は選ばん
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甲虫をべきりと踏んだ感触を忘るるがごとアクセルを踏む
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手のひらを太陽に透かしてみればCPU浮き出るアンドロイド
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犬シーソー鉄棒ブランコジャングルジム水飲み場だけで生きてきた夏
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生まれ来る キミの血液違ったら すがるものなく こころ死に逝く
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雑草はコンクリ破り伸び育つ 小さく細くでもたくましく
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扇風機の風量ランプを手がかりに水求めたり深夜十二時
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君の顔 まともに見れず お腹みる 子キミ我が子なら 愛しいのに。   思えない
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「君がいた夏は」と歌うきみの目に向日葵 遠い夢にしないで
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いい人で いたかったから 『またね』とか 当たりも障りも ありませんから
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