熱帯魚と呼ぶには涼し過ぎる水槽ネオン・テトラが青空見てる
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水槽の揚水ポンプに張り付いた魚を食べる仕事するエビ
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地上でのせわしさ知らず西の空燃ゆる雲の往時も同じか
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満点の答案用紙が満点の容姿なんかに負けてたまるか
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今までの 言い訳してた逢わぬ日々 全部君との 時間過ごせた。
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泣くな少年善戦だった 甲子園の後も未来は続く
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音もなく閉じた楽譜と見つめあう 八分音符は死神の鎌
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熱中症警戒アラート出されても 移動しなけりゃ用事が出来ぬ
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テキストを 仕上げとばかり 熟読す 試験前夜 最後のあがき
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まっしろいシーツで覆われたあとは消毒液のにおいで眠る
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うちゅうでき せつじつなものなど なにもなく かみとちきゅうは はっぱすってる
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お盆来る 若くに逝った 友たちと 酒飲めたらば 楽になろうに
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つれそった たいおんあつく そらにある あきぐもめけば それもさみしく
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ミク(やラップ)以降 ポップの歌詞が 散文で イメージわかせぬ。 われ(うた)も同罪(笑)
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眼前に映し出されたレントゲン戻ることなき日付を見遣る
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幾種もの薬でどうにか生きさらばえ熱にうかされ見た夢の続き
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あからめて 「うでぐらいあった」と 農高生 生殖行為は 聖行為である / 漢語ににげた
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こうそくで うごいていると ほかはただ すろーもーしょん こいとフィジックス
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エスコンは 空調バッチリ 椅子柔く 万中カレー 八百九十圓 / 推し万波中正
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鹿はもう山に帰って風やんで 魂をむかえるろうそくゆらめく
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刻限は迫り 急々如律令 ただ書きつけた付箋を呪符に
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駅の傍 冷えた灯りに足を止め見たこともないジュースを探す
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ほくそ笑み近づいてくる 顔に「土曜出勤お願い」と書いてある
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みんな言う「らくになったのよ」 その言葉なぐさめになんてならなかった
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ガチャピンや そらジローなんか きぐるみは バーチャルにして 夏季休暇あげて
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どうしたら受け入れられる? 今もまだ暗闇の中 明日 母 命日
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オヤツたべ ねこたち並んでうたた寝を これが我が家の平和なるかな
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くもはれて ものほしてあめを くりかえす ひるねのあいだ フェイントかけるな
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「お3時にアラーム鳴ったらオヤツしよ」 ねこは5分前ちゃっかり待機
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虹の根が地面に埋まっていないこと知っているから探しに行かない
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