十数年抱き続けたこの憧憬、もはや朽ちゆく定めとぞ知る
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冬の日の冴え冴え澄んだ青空は氷にも似てどこか寂しい
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密やかに君がうずめた花の種が芽を出し宿主わたしの命を奪う
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シルベスタ スタスタスタスタスタローン って茶魔語があったな 確か
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いたく錆びし恋情出でぬ砂山にキスした日からはじまる咎よ
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あの人に好かれるために禁煙かまあ吸わなくても無理だしいいか
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問い合わせ答える柔らかい声を頼りに明日は初出勤する
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授業クラスにて 畑のけるは 寒冬の風情と書けり 教師解せず
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ふと君と視線を交わすその時に胸が苦しくなるのが不思議
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べろべろに酔った子猫は腕の中 我がマタタビの匂い強くて
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喜びを時給に上乗せしてみたら悪くはないさとエプロン締める
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ダブスタだ 君に「やれ」とは言えるけど 自分に「やれ」と言えないもんだ
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塞げども紅白菊図の絵柄選り季の筆おこす冬至を前に
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みづからを見つむる時としての文ことのはに季を拾ひて綴る
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雨空にうつすら紅のいろおほふ蕾ふゆ薔薇なにを語らむ
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5年ぶりあなたの寝息抱きながら眠れぬままに見上げる天井
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悲しいとことばにしてはいけなくて雨雨降るな降るなよ雨よ
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外つ國に國語と強ひられ覚へたる ことば用ひてこころをうつす 
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ゆきがふるゆめをみました隣には一人もいないシーツの上で
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肉料理 引き立て役の 粉ふきいも 見た目地味だが 味は美味なり
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真っ白な 無垢な心に 支えられ 下向く僕は 空を見上げた
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涙ぐむ 君の心を 抱き寄せて 僕は誓った 君を守ると
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囁きは夢となりしか墓無しの忘れられたが最期の薄荷
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馬鹿なのか 一つ覚えの言葉しか出てこず焦るあの日の夢が
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高揚を右の奥歯ですり潰すやまいが先かくすりが先か
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あったかい牛乳うまいこころから泉わくよう祈るキリスト
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ニワトリもたまにタマゴに還りたい どちらが先か どうでもいいね
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やっべええ!バスにはなんとか乗れたけどサポーター巻いてくるのを忘れた!
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やっべええ!あと十分でバスが来る!飛び起き歯みがき靴をはきGO
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La plus que lenteレントより遅く 歩きて幾つもの 背を見送りし   明日も斯くあれ
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