「本物の貴方は何処に?」 虚像イメージを 無限反射す 鏡地獄シミュレーショニズム
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カーテンの向こうの銀世界の目の奥で子犬を飼っている人
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いまひとつ盛り上がらない噴水 両の手で蛙つくってみせる
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苦しみが 君が一世の神髄で あるべきなどと 言えるか莫迦か
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聖年にれし最後の皇帝の物語編むチンクエチェント
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三度みたび摘まるるマルグリットの一輪は時代てふ名の神の右手に
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ジョヴァンニはうからの誇り衞るためスフォルツァの血を黑く染めたり
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ふう おわり やっとおわった 気が抜けた おわったのかあ マジか ホントか
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産業廃棄物にうずもれているひらいていないやさしいてがみ
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駅にり 良いお年をと越されたる年にこうべを垂れる人たち
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下手な絵も 子供とならば ごまかせる 少しずつだが 上達してく
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植え込みに 落ちてるゴミを 拾ったら 草花たちが 笑顔になった
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制服は 無口だけれど 着ていれば 同じ服でも イジメられない
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満月に性欲の湧く食卓のグラスのワインが血のに変わる
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ねむい朝に温度計は二度を指し かくしごとした夜より寒く
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ため池を横目に眺め坂下る私のながい髪と年齢
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性的な言葉で遊ぶ十三の女のなんとかわいいものか
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4すらもねこの卵も遠い日の 秋の雷聞き思い出す
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3々の芽の柔らかくなる初春にねこの卵の孵る夢見る
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1走りでねこの卵をかきいだく君の背を追う夏休み初日
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2だから、君にもらった押し花とねこの卵を暖めている
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おじさんの金玉に散る水しぶき顔に当たった銭湯の午後
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焼き芋の売り声追って夕暮れにあにいもとらは家見失う
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わたしたち強いきもちで生きていて強いきもちで死ぬこともできる
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ウイニングイレブンアプリ 楽しいな 呟きたいがアカ的になー
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信号機 横立つ人の 外套の 綻びたるを かなしと思ひ
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青色の蛍光灯が床照らす月の光に変わる二時半
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冬薔薇は静々面しずしずおもて上げるのみ一日一夜ひとひひとよを雑作なく過ごす
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麦酒ビール以て 赤らむ顔の おれを褒め なじれる友は とくと笑へり
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眞心まごころは ことの骨也 童心こごころは たまやく也 こゑに こう文字甚もじたし 情熱の 赤さ乱れて 氷溶けゆく 
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