あれ 喉が痛い…? … … …気のせいにする 気のせい 気のせい 気のせいだ 頼む…
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まだ慣れぬこころ七五に織る技術こころ ならべつ削りつ入れ替えつしつ
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かたぶきし Oude Kerk旧教会の晩鐘は 世を儚みし 嘆きにも似て
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道で見る尾っぽを切られた三毛猫の切ないまでににゃあにゃあと鳴く
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霧深み 揺れる街灯 月笑う みちのポストに 手紙出す者
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八歳の恋情はまだ燃えていてタイムマシンをあきらめきれず
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もう師走 そんな噂が流れてる まことしやかに 流れているね
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指差して ヒソヒソ話 大笑い こんな笑いは 僕はいらない
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逢えない日 受話器にそっと 口づけを 昭和の恋の あるワンシーン
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わがままも かわいく見える あなたなら 恋は盲目 よく言ったもの
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目をみはる星をゆびさしあおぐ空 幾光年の君のまなざし
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古書店のパラフィン越しに読む題字 日没そとは冬曇りの月
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Centauri αあるふぁβべーたに導かれ 捧げられたる 南の十字
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羊らは 書を紐解ひもとけり 絶望を 名付けて括弧かっこへ 入れる為に
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うつむきて六花に背くクリスマスローズの白は誰の化身や
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地を見つめ待ちてゐるその香りより花ことばたつ追憶といふ
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待つといふ冬のすがたを具現するうつむく花の凛とある白
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ビル街の窓それぞれが明るくて北へのしるべを失う真冬
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もし無事にホワイトアウトを抜けたなら あぁ一番にココア飲みたい
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足の悪い人馴れしたるハクセキレイ食を目当てに昼のコンビニ
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忘られた言葉は君の声をして冬曇りの下を帰ってくる
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今日の血を片付けつつ聞く豚の声あす屠られる月夜のしずかに
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捻り出す 繰り出し捩り絞り出す 押し込み出し切り ぎゅーっと もっと!
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混沌という名のカップラーメンにお湯を注いで2分、現在
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週一ゴミの日早朝にビールの空き缶七つ捨て耳元を朝の寒風が吹き抜ける
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濃密に 薫りたりける ししの為 屠らるものの 血潮と脂
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声知らず 顔も姿も いさ知らず 文のみ知るを いかに会はむそ
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ババ美めは 今はまからむ 腹鳴かむ 風呂も布団も 我待つらむぞ
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吸い込んだ煙の苦味に怯むその白い瞼を緩やかに食む
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明日あすまでのわずかの間死ぬために貴女に別れを告げねばならぬ
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