吸いさしの煙草を奪ってしたり顔セヴンスターは重かったようで
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春の陽につぼみふくらむ菜の花を 鍋に押し込む非道を おれは
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いつだって何か書かねば生きられぬ 誰にも届かぬ歌を詠む午後
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まじないとのろいの区別がつかずに解いてしまった今は亡き愛
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海の底へとたまりゆく眼球のおもてを滑り落ちる星屑や
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鳴きなれぬウグイスを録る亡き父の藪割く足も残すボイレコ
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グルタミン酸ナトリウム!いつだってわたしの味方なんにでもかける
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元号もやまとことばになさつたら?それほどからがお嫌ひならば
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夜の明る足音聞こえぬふりをするナイチンゲールよここにいてくれ
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交差する僕らの夜は数知れずされど今宵は君だけのもの
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しゃかりきなラブが君をうさぎにする 扉の前できっと待ってる
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あっけなく空になるし、猫舌なこととか忘れてくれてよかった
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ふと見ると パトカー 真横 驚いて 乗ってた警察官は落ち着いていて
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愛だけは夜のぼくすら救わない そう知るために一生を賭す
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引く上司語りだしたら止まらない普段はひかえめ同期(28)
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カタバミがパチンと種を飛ばしてる いつか芽を出す言葉のように
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母という なにか善きものらしきもの 恐るべきもの 恐ろしきもの
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目薬をさすときどこを見ればいいのか分からずに悶える日々よ
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歯磨きにいくら時間を使っても悪口の味は消えてくれない
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寂しいと言う人もいない東京で生まれて育ったはずであるのに!
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かなしみはあなたのよこからはじまったどうしてくれるのどうしようもない
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思い出は思い出さなきゃ消えるから星に付箋を付けては巡る
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ハルメギドわたしは最終バスに乗るもう逃げられないLINEの通知
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肉体ははかなき器橄欖山登りしのちの睡魔はげしき
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杉の木を思うと涙が止まらない 愛しさ?いいえ明確な殺意
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ペンをとり本音という名の季語を入れ 心の四季を自由に綴る
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ふるさとに訛りはなくて啄木になれず渋谷のすみでぼくらは
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のんびりとただのんびりと歩きたい真昼の月の人ゴミの中
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なぜだらううみのまぢかにゐるやうなたぶんさういふひとなのだらう
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みるままにさういふひとのいきをせよすればするほどほろびあたらし
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