生きてゆくことに押し流されていく もったりもったり静かに泣いて
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なにも生み出せないわたしに価値なんてないなら最初から価値なんてない
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雑菌の臭いがしてる 気のせいか オレの臭いか 気のせいなのか
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旅立ちの子等を見送る校庭の別れ惜しむか黄水仙撓るしな
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はなむけにみんなで飛ばすゴム風船 大空羽ばたくことも春の夢
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「離婚したらどっちの名字になるのがいい?」走るボルボの灰皿あふれる
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漆黒の鞄から出す緑の財布「私らしさ」を取り戻す瞬間とき
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うまれると知っていましたきみのこと〝 ソレ〟とは別だが気に食わない
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とおいよる逸れたあの日窓のそと気付けばきみを思って耽ける
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瑞垣のひさしき世より恋ひそめき妹とへめぐる芍薬の園
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イライラと鬱とヘイトが臨界し夜空に光る最終電車
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なにごとにも分けられもせぬ僕たちをきっと歴史は引き裂いてゆく
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ホームドアはひらいたままの状態となっております雲間のように
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モノを見る視線 みにくれる僕 確かめながらモノを見つめる
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/* 君がこの文字を読むころ僕はもういないのだろう あとはまかせた */
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空を飛ぶ 花弁を鳥と 準えて 駆け出していた 遠い日の春
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あの人は昔一緒に働いた煙吐くのが美しい人
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霧ふかきあさの根本中堂にふとくひびかふ勤行の声
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漠然と面倒くさいが勝っちゃって目を瞑るのも億劫な夜
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全て捨てまたここから進み出せ僕には何もそう何もない
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過ぎし日をぼんやり思う今はそう夢から覚めた赤子のような
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まるでそう過ごした日々は夢うつつ全ては儚く朧げに散る
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強風は恐怖乾燥飛散スギ感想悲惨経過警戒
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感情を見せたらそこを弱点とするヤツ マジでムカついている
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君の名が呼ばれてはっと振り返る いないことなど知っているのに
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かくれてもむだだこれからこの町を包囲していくクラゲの群れが
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「この歌がとても好きだ」と言えばいい 言葉にできず淀んでいるなら
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通院の我に優しき花菜風 飛びつぐ蝶の生き生きとして
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今を生くことの倖せ想う時君にと作るチョコレートケーキホワイトデー
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なんとなく愁いうれいまといて春の日にセレナーデ聴きて余韻にひたる
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