ああ 空が泣き出しそうだ 泣いちゃうと辛くなるなら 泣かずに過ぎて
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暖かく 睡魔のすきに春の昼くしゃみのあとに夢襲いくる
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弦月を眺め思うは郷の海しけき無数の凍て空の星
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手を振りて門出を祝ふ母の春 嬉し涙をそっと拭きけり
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青春を埋葬したい輪廻へと至る手段は棺の奥に
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ああ推しよ、何故にあなたは美しい? 巨悪の祖であり死ぬというのに
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ペンギンも飼育係りもなかりけり避難命令解除いくとせ
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乾きたる我の心を癒しくれ邪心もなくて雀たわむる
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簡単にパンとチーズとハムだけで済ますご飯ドイツ語でカルテスエッセンって言うらしいも気楽で良いぜ
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春告鳥 やうやく心定まりぬ運命さだめのままと心に聞かす
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恥じらいの唇紅し君の春今かがやけり旬の青春
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生物は未明に小林ハイツから街に出るなり人語をしゃべった
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職員室呼び出されたような気持ちになるけどすきだよ。しんじてほしい
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ドレミファソラシだけの世界 半音が足りない僕と多すぎる君
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我が故郷さとに違はぬ海松色みるの列車さへ 遠田人とほたひとには違ひぬるかな
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薤上の露も干にけりなつかしき友の訃とどくはるのゆふぐれ
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便箋の折目ひらいて芳香は遠い人へと方位を示す
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哀しみと切なさと愛を材料に春のレシピを作ってみました。
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未だ見ぬ夢にまで見た贅沢は カニの甲羅に入ったグラタン
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ままならぬどうにもならぬ出来事はチャッとまとめて宇宙にポーイよ
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短歌とは心の部屋のインテリア ひらめき 歌へ変えて眺める
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死に方を選ばせてさえくれないくせに なにが「死に様は生き様」じゃ ハハハ
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この街で暮らしていこうと思えたら 世界のどこでもふるさとなのだ
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さらばいざ 心の奥のふるさとは いつも厳しい地吹雪の中
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そうだった あの日も雪が降っていた 静かに積もってゆくだけだった
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失った故郷をこの手に取り戻す 中古ゲームを百円で買う
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必要とされたいなんて思わない 雪明かりばかり 遠い祝福
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愛ゆえに、愛ゆえにって言うけれど チクショウそんなの愛なんかじゃねえ
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ああ憎い、憎いと醜い感情は 抗い難いと肉食い思い
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「大嫌い」それは大好きの裏返し その理論ごとお前が嫌い
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