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亡き母の読み耽りゐし中也詩集 われもこの年ゆそを読み耽る
7
『吾輩は猫である』てふ本の
頁
(
ペエジ
)
にいまだすすまぬ
栞
(
しをり
)
褪せてをり
7
夕暮れに 数羽の白鳥 舞い降りる 湖面ざわめく 冬の使者たち
18
幼
(
をさ
)
などち かげおくりして並びたる
傍
(
かた
)
への影は今はあらずも
6
許されてあるこの契り有り難けど 思ふどちして永すぎた春
6
希死念慮 強迫観念 自責思考、せめてアナタを傷付けぬよう
6
眠れずにスマホの明かりを手に包み、「あったかいね」と嘘をつくのだ。
5
「死ぬんなら、迷惑かけず」と言われても、何も出来ずにただ飯を食う
5
この国は ギャング組織が 勝ち組か 闇のバイトも 奴等の主宰
8
こりゃヤバい 神無月だが 三十度 ネルシャツ未だ 箪笥の肥やし
10
文鳥の餌をたくさん買ってきた口に入れたの撒き散らすから
5
我が子とは私が生きた証とも夫婦の過去の輝きとも言う
19
「貧乏は母さんだけじゃありません。」保護費あげちゃう馬鹿な母親
14
車窓より見ゆる富士山
一年
(
ひととせ
)
にいくつの出会い別れを見けむ
5
背中には羽根があるけど天使じゃない娘びいきのバカ親だよね
12
浴槽の温度が熱いか冷たいか忘れるけど十月下旬
5
宇宙より暗くてひろいかの瞳 のぞきこむには酸素が足りず
7
なぜかしら上から人を眺めたく時々のぼるあべのハルカス
8
雑談がもし名曲に変わるなら胸がときめく話をしようよ
11
こんぜんとかぼちゃも芋も大鍋のたぎつ市中にわれも混じらば
8
ポリタンク 灯油を買って ホクホクに 寒い日待たず つけたストーブ
7
絡ませて 紡ぎ重ねた 文字越しの 貴方との日々 今はなき日々
10
奥さんに先に謝る明日の朝少し朝刊広げたいから
7
秋雨が服をとおして肌にまでしみる時間でさよならをする
6
ふいに来る稚内から雪だより律儀に北の果てからの冬
20
なつのこり くもの巣からんだ ちょうちょうも のざらし七日 しょくひんろすね
17
ナデナデされ ふわわがでるの りらっくす ねこの
しんらい
(
信頼
)
代えがたきもの
17
走馬灯 八万年に一度だけ降る星を見るあなたのまつ毛/アトラス彗星
8
にわか以下 優勝したの チラシ見て 初めて知るも セールに夢中
9
幸せは歩いてこない、その先を知らない歌を口ずさみ、風呂
12
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