ロッカーや下駄箱ナンバー探すのは 13だった彼の出席番号ばんごう
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湯気の中人々はみな微笑えみ浮かべ 非日常の幸せひた
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午前6こごえる寒さと露天風呂 「あー幸せ」と声に出しをり
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日常を放り出されて夢の中 覚める時まで続く幸福しあわせ
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森で今 枯れ葉の下のドングリを こりすがかんだ ガリガリガリリ
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眼底に視神経乳頭あるところ映像を欠き「盲点」となる
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話す人スマホ見ながら歩く人考え事してるふりのあの人
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ぬと 目にはさやかに 見えねども かたらふ隙間すきま木枯こがらし
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さびしいと思うことに膿む日々はもう嫌だ潰せばニキビも治る
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さびしいという字がすでにさびしいよ真正面から見れぬ閃光
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悲しさも嬉しさも涙にならず胸のどこかにできる湖
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この世って自分のためにあるわけじゃないらしい傷を抱えて生きる
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無人島で過ごした五年無人なら誰も傷つけないはずなのに
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これまでの来し方を思う夜もある死にたくないなと思うこともある
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サビ前で飽きて途切れた鼻歌の続きを紡ぐオクターブ下
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匿名の言葉を紡ぐ夜の底でしか会えない人がいるから
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何があり僕になったか知らないないが徳はなかろう輪廻であれば
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窓みてよ触れられそうな冬の月満たしたいんだ喜びだけで
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特急が追い越していく僕たちは普通電車をこよなく愛す
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生涯を貫く辛苦の回答を 先日知った君がのたまう
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我が子なら目隠ししても解るのは何故なんでしょう母性でしょうか
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とかくにも埋め尽くすのがよいのです 体は心 満たせばきっと
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メモリーの容量の無い大脳の保証期間はとっくに切れた
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植物に高鳴る胸はありますか?海の草やら山の草食み
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最近の ゲームは子供 たちよりも 大人を狙う まんまとハマる
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数瞬でいいから聴いてあわよくば足を止めてよ 私の音で
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脳みそに取り置いている小話の 使用期限も切れそうだから
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早まるなそこにわたしはいないしさ竜宮なんてものもないから
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最寄り駅降りれば明日乗るときは、現実行きの電車しか来ず
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指絡め 頬に寄せけり 失落の 我を誘いし 甘美なる君
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