再婚を果たした隣の志保さんの洗濯物が舞い上がってる
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永遠は僕の辞書から逃げました掛け捨て保険の資料ください
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囚われた獣のようにさまざまな不自由に目を伏せる人間
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今生の未練か忘れ物みたいだ水切り石が遺した波紋
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腹痛で トイレに籠っている時に 降ろしたパンツを足から脱ぎ去る
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もうやめた 君のことなんて忘れちゃおう 忘れられたら 楽なのに。
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知っている? メガドライブはゲーム機でギガドライブの小さいのだよ
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断線し死んでしまったヘッドフォン音のむこうにきみがいた夏
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ドンキ行こ 軽自動車で 深夜ドライブ こんな生活 ちょっと好きだよ
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本当に カッコイイやつは いないから 俺が一番 カッコよくなろう
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クソウケる お前の生き方 カッケェよ 俺の親父は そうじゃなかった
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許されぬ自分を許す許さない自分を許す汗だくのまま
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鳩尾みぞおちに溜まった痛み見えるよう「痛い」と声に出し 噛みしめた
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竿先のとんぼに託す想いさへ飛ばせぬままに遠あかね見て
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竿先の蜻蛉にたくす想いさえ飛ばせぬままに遠あかね見る
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そのままを受け入るる意味の階調を水平線に模索してゐる
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時間にも人間たちにも追はれずに自由の闇に沈みゆく猫
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思ひ出をひとつふたつと消してゆく老いゆく人の無色の原野
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見上げた空は白く青く今にもぱきぱきと割れそうで冷たい
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ココアを作ろう 混ぜれば混ぜるほど幸せが感じられるでしょ?
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いいとこも嫌なところもあるけれど代替できないあなたが好きよ
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朝顔に水の戻りてごぼごぼと 沈む肺腑の吐くたまを聞く
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スーツ脱ぎ化粧を落としサンダルで酒を買うためコンビニに行く
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僕が最後のひとりらしくて、虹に向かう。すぐに濡れるワイシャツの襟
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娘 母 妻 夫 父 息子たち 全て 全てを 無名に還せ
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星が好き、昼間はあれど見えぬから誰かを照らすほど光らぬから
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君の背がどれだけだったか あの時の角度を想い首を傾げる
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朴念仁 言われてみればわかるけど 言わねばわからぬ 髪の毛5ミリ
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乳飲み子の指折る度に泣き笑い大声で叫ぶ「骨粗鬆症!」
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水滴をなぞって遊ぶ湯船にはいつかの約束忘れた小指
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