旅に出る 切なきイントロ 若き唄 二気筒のバイク 風に乗せし夏
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ALPSの水道水を浴びた後 天然水のボトルに詰める
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「中国人、消えてなくなれ」怒る友 その口先は漢字をなぞり
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初歩的な ミスをしでかし 自己嫌悪 変なところで 気が緩むのよ
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チビ猫のお誕生日だ おめでとう ろうそく8本 ササミに立てよか
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帰り道 立派な毛虫と遭遇す 君たち春の生き物じゃないのか
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人生もこの恋心も燃えるもの 次の火曜日忘れずに出す
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よその猫も かわいかったが 母戻り わが猫がスリスリ さらに目尻下がる
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みんなにはひみつだよ、ってくれたグミ 結局きみと一緒に食べてる
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とんとんと 凝ったこめかみ タッピング アイデア降るよう 雨乞いをする
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ザラザラと 舌の上で 転がした 今を壊さぬ 「好き」の言葉を
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午前診 九十代と歳児 共に待つ場の空気は柔らか
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寒いのが苦手なきみ 秋寒さえ過ぎればそばにいてくれますか?
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東京の老人方は 陽キャラで カフェで おしゃべり コミュ力高い
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青あさがお かず咲くならば 変異して 絞りもように 薄青むれて
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靴音の響く静寂歓声で揺れる空気も皆ラジオから
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まあ寝たわ 人間わたし案外図太いな じきに合流 ロイホのモーニング>お疲れ様会
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この夏をハードディスクに留め置く歓声花火蝉の鳴き声
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あれやこれ 満たされぬ今 埋め立てる ために集めた 懐かし話
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寝る前に 離陸し上がる あのやる気 朝には枕で 黒煙上げてる
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雨が降る登校日にはビニールの傘を通学路に添えるだけ
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秋雨で残暑一掃、エアコン不要で快眠
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度をなくした景色はすべて曖昧でわたしもねこも融け合っている
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天国があるならきっと四月の朝だ そう言った人の記憶は彼方
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海が陽を呼びこむ時間早まって。好きな夕方、海の街にて
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現実が漬物石のごとくのしかかる そろそろ限界なんだ
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あの子の心は定員オーバー 椅子さえ置けず夢を見る
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熱愛だ 匂わせだのと かまびすし 騒ぎたてるは 愚かし餓鬼共
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もし僕が虹に転生したならば写真を保存されたりするね
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走り出し全部避けると言う君の背を追う空の落し物たち
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