過ぎ行けば 何故か懐かし 暑き日々 耳の奥には 蝉の声 夏
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生活の責任を取る練習する ロースとひれはどっちがジューシー?
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HEPとか たまに行くのに地図ガン見 こうべっこのまま 大阪馴染めず
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恋みどろ 髪舞う度に 香る花 小さな肩と 小さな別れ
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花にらを屋根に咲かせて住む人の朝餉の膳の目玉焼きかな
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片想い きみが好きだ、きらいだ、ぜんぶが嘘だったらどうしよう
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かの暑さ 秋分迎えて 払いたる されど来るは 冬の予感か
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「糖代謝症候群」は何となく「ダイアベティス」は何が何やら
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いそいそと観戦旅の支度する 気分は遠足前夜の子ども
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ボケ防止、と クロスワード 始めし妻 兆候きざし埋めるごとく 無言で解く夜
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甘い恋と 苦い現実 混ざれば カフェオレみたいに 上手くいくはず
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秋空の 優しい青が 君ならば 僕はきっと 彼岸花のあか
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のこりものばかり部屋には増えていき選んだのも選ばないのもおれ
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手ピカジェル 箱ごと紛失 再購入 届いた頃に出てくるパターン
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バスツアー三河一色上うな丼遅れた昼食腹に飛び込む
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会議室へ「失礼します」と大声を残して入る学生ひとり
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祖父の味 私の舌が 覚えてる  珈琲一杯に 砂糖いっぱい
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美味すぎる 日本のお菓子は 美味すぎる だから仕方ない オレは悪くない
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あれも見た これも知ってる それもした 未知の世界よ 君は何処へ
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たまに風呂ゆっくり入ると ねこが呼ぶ おかあちゃんー、どこにいるのーー
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電車内 お喋りマダムに挟まれる 私はSONYのサンパチマイク
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わたしは全部を許さないといけないみたい 聖人になりたいな
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新刊を求めて開くトキメキを静めて一気に読むプロローグ
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花言葉「愛」という花受け取るも私はそれを君に感じず
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幸福になるために生きてはいない(不幸になるためでもないけれど)
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図書館で 短歌の本を 借りてきた ちょっと憧れ 文語体の短歌うた
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恋愛は片思いほど美しい今もそこだけきらめいている
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心を持つ時代は終わった 誰もが望まないストレスに苛まれながら
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お彼岸に お墓参りのはしごして あの世の席取り こっそり頼む
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面白きは 橋の欄干 トンビいて 目線同じで 互いにガン見
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