走り出し全部避けると言う君の背を追う空の落し物たち
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ケバブ屋の肉みたいに少しづつ削ぎ落とされてる私の心
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エサをもて 気乗りせぬから あっちいけ ときに近うよれ 我はネコなり
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ごく軽度 熱中症の名残かな 足とかピキピキ なかなか寝れぬ
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人間の本能なるは嗅覚か 姉様宅のお布団、安心
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新月の晴れた丘にて今日からはメシエをひとつひとつ見つめる
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秋空を 飛びゆくトンボ シルエットは 夕日に重なり 瞳を染めた
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可愛くて 憎らしいほど 愛してる 自由を愛す 陽だまりの猫
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気怠げに 微笑む君は いつだって 自由気ままで 儚く消えてく
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人肌を文化祭の出し物にして 千円弱で売れはしないか
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「幸福の総量」の算出法にマイナスがあるのかが気になり
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大きくて冷たいクラゲに包まれに サナトリウムを抜け出した夜
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望月の姓への憧れに気がつき 望月さんに好きと言いに行く
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励まされ 死ぬのをやめた 少年が  母を殺した 励ましは善か
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お酒より 酔ったあなたの 顔が好き  だから今日も 乾杯をする
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漆黒はやめろと北から呼ぶ声よ 桜の国に生きる我聞く
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ザリザリと砂を掻く音長々と そのまま顔を舐めてくれるな
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料理とは美味しく楽しく作るもの心も満たす誰かのために
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きんぴらは悲しいおかず父さんが「お前の味だ」と誉めたなんてね
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母親に助け舟出す歳になる娘はこの味覚えてくれるか
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猫がなく 犬も共鳴 蚊もぶんぶん 夏は未だ衰えず
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片手間に僕のこころを救ってく そんなあなたがほんとにきらい
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あの日からずぅっとずっと秘めていた ほんとは君にたよりたかった
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よそ様のおうちのねこも可愛いな この世話係は、会ったことあるのよー(笑)>こねこの頃
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珈琲の 水面に映る 寝不足顔 いつもよりも 鈴虫がうるさい
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寝てる間にプツンと切れたフィラメント 闇夜に溶ける私を許して
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家族でも 何を考え 思うのか わからないから こそ面白い 
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体温が宿るシーツに包まれて窓の隙間はさわさわと秋
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人類が 最も抱える 爆弾は  便秘人間の うんこ爆弾
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死神に 楽な死に方 問うてみる  死神は言う 私は死ねない
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