群盲を象はねぶりて踏みつぶす 所詮われらは進化した猿
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「ああ ここに闘っている人がいる」掴み心が湧き立ち上がる
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限りなく平和に近い青の中わっと潰れてゆく苺の実
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批判するときだけ話しかける人 本当ほんとはわたしを嫌いなんでしょ?
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アルバイト休んでひとり家にいる 今頃みんな頑張ってるはず
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ここまでは自己満足の五七五七七七でごめんじあまりラッキーセブン
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青と白緑黄色のパレードで私は真夏の向日葵畑
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「この街はおまえの死には似合わない」わたしの中に咎人とがびとがいる
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両どなり。一軍男子の居眠りを止める気起きぬ 我三軍女子。
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星のかけら月のかけらは夢のかけら人みな真夜に求め追ひつる
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みづ色を夜のしじまにあてはめて透きとほること響かせてみむ
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けざやかに茜あやつる変化へんげとやはさあたはずあぢさゐひともと
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なんだかね変な気分よわかるでしょ恋がしたいのだって夏だもの
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君笑う向日葵畑で指絡め黒髪ゆるる青空の下
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みづ色の歌の破片かけらよシーグラス透きとほる性うちに秘めつつ
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ジーパンにスニーカーからジーパンにサンダルになった とっくに夏
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べたべたと 汗ばむ体は ナメクジに このまま溶けて 床になろうか
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窓のそば ふんわり月の 照明が 穏やかな僕の 目を刺すナイフ
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歌屑をとぎれとぎれにちぎりつつとき色の日の暮れに放たむ
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やはきたへにつつまれ低く鼓動する遠きうつつのオキイフの白
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天いろの宙を追ひかけ空も海もやさしき青にたどり着きぬる
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かさぶたを剥がしていいよといえるほどのふたりにぼくらなれただろうか
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白日にさらせホテルのライターを はばかられるばかりの逢瀬を
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夢の中いたんじゃないか本当は 更けた夜を囲む白衣
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神様が雨を降らせてくれたから虹の写真をあなたに送る
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このもじはこころのすみでこっそりと うたわれていたうたのかげです
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幸せをたくさん祈ってもらうより擦れたかかとを肯定されたい
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君の傷私に分けてほしいんだ 治しかたを覚えるために
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良い夢を見たいと君は言うけれど大丈夫だよ夢で逢おうよ
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万人を殺す真夏の稠密に 気持ちのsemaphoreセマフォ埋められている
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