ひきがねの重さはどれも変わらないあの子は撃てるあなたを撃てる
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風強く少し涼しげ出勤時 薄手のパーカー羽織はおって出かける
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今頃はバイクで風切り疾走中 400kmも離れた貴方
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たくさんの幸を与えて終えた薔薇 花がらしおれ雨に打たれる
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寂しさに 欲を絶えても 泣かければ 世に逢坂の 君の笑顔や
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本心の 弱音も愚痴も喜びも はくこと出来る 同志いる此処ここ
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嵐の翌日、始発混んでる、晴れて真夏日になりそうな日差し
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火葬場へマイクロバスで行く途中 追い越して行く原チャの僧侶
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眠れない夜は自分の輪郭が暗くなっても鮮やかすぎる
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病とか傷とか痛み悲しみが全部なかったやさしい夜に
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本当は何も知らずに微笑みあったあのやさしい夜に戻りたい
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自分だけ大事にできないあなただから 僕のためにと元気でいてくれ
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誕生はじまりだれか為なりせいで結果なり義務だから 最期ばかりおわりくらい己で選らばむ好きにさせてよ
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ファミレスで君の脳の一部を貰い僕の脳の全てをあげた
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久々のタクシー帰宅ドライバーが自宅を覚えていてくれたこと
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きみだけが幸せだなんて許さない からっぽの花瓶ずっと抱えてる
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神経の震えのくせに皮膚の外なんて遠くへ行きたがるんだ
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人体である限り美しくはない。見なければ、もう醜くもない。
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人声をかき消すまでの雨音を密かに願っていたという罪
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一つずつ音源が消された部屋で残った心音ばかりが響く
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ワタシ的一番怒られそうなのはやっぱりテレビ「寝るなら消せや」/TAKAKO様へ
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春嵐しゅんらんにその名も知らず去りし君 のこり香のみぞよすがとなりぬ
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気にはなる やっぱり気になる ドライヤー ねじれたコードを 秘技逆ねじねじ
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「死んでいい?」送信取り消し「劣等感辛い」取り消し「明日会えるね」
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ごめんってば 自分の寝言 脳を突く 数分ぶりの うつつの世界。
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食べながら睡魔に襲わる幼な子の瞬時に項垂うなだる、君は子犬か
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長女猫あのこはね 膝にしがみつき 震えてた「おかあちゃんだよ」と幾度も撫でた
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はじめての わがを膝に抱いた日は 昨日のように覚えています
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雨の日の舗道に光る五十円拾われ託され募金の箱へ
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愛情も猜疑心も切なさも心の中で一緒に住んでる
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