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うわごとと
妙
(
たへ
)
の滲んだ境界にタングステンの切っ先を置く
1
真夜中に目覚め少しく時間経ちふと窓見ればしらじらと朝
1
水底の悲しみうたふbluesに空のblueもとけこみそむる
3
原形を
喪
(
うしな
)
ふための冷たさと美しさ持つ氷鳴り来る
4
うへを向く空したを向く海うごく起点は真んなか鬱なる鴎
2
今がそう全てぐらいに思ってさ生きてみたいよドライブしよう
2
「才能をご用意することが出来ませんでした」とのメールが届く
3
いつもよりはっきりみえる
恒星
(
ほし
)
じぶんで光ることができない
惑星
(
ほし
)
0
昼前に刈り払い機の音響く外を見やると一瞬の夏
3
部屋の壁思い出飾った写真
外
(
と
)
り一生消えない画鋲の穴たち
2
生きる理由?そんなの別に知らないわ。でも死ぬ理由も知らないでしょう?
5
灼熱ですべてが焼けたあとに来る機械砂丘できみとジルバを
2
目が覚めてふとたいせつなもの一つ眠りのなかに忘れたようで
10
足元に横たわるのは命の木 踏み抜く枯葉 死して実る実
1
タコキャット
(
TACOCAT
)
逆から詠んでも
タコキャット
(
TACOCAT
)
食べてはおいし愛でては可愛い
1
ショッキングピンクの二錠は気管支炎に効くらしい、へー、ふーん
1
七錠に明日の健康託しつつ色とりどりの薬をごくり
4
教えてよ、炭素の針の頂で踊る天使のバリオンと色
2
焦熱の
∫
(
インテグラル
)
は増長し 記憶の夏は解体される
3
針山の尖頭熱して睥睨し 翡翠の足は砕ける刺さる
1
上京をする目的が飲み会とお気に入りのバンドのライブ
4
海原の青の孤独は灯台の白き祈りに導かれゆく
3
天つ風に託す歌さへまとまらずただ君思う茜空かな
2
泣きながら指折り数えた失恋も 指ではそろそろ溢れてしまう
1
繰り返し聴いて "I'm feeling good right now." 燻った気持ちを吐き出す
0
参考書買ったは良いが読まぬままtsundokuは英単語になった
1
鉄拳はめちゃめちゃいいの描くよねえ優しいんだろなめちゃめちゃいい
1
蝉の声、ひどく冷やした暗い部屋 リストカットをふと思い立つ
4
文字列は手練手管の往来に七七狩りの足音を聴く
5
ひとと待ち合わせる朝の 浮き上がる今日の世界は 肩よりも上
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