夕飯を作って出勤する午後は 置き手紙書く スマホの時代に
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秋草に 埋もれる昼の さらさらと 土の香りと土地の香りよ
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空が灰色の理由はわかってる ぼくは人への感謝が足らない
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暁の寝覚めは老いの常なれど待つ間に明けぬ秋の夜ぞ憂き
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一月に恩師が逝ったと今日知りて 今の自分を叱ってください
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叶わない恋ほど辛いものはない いつかの夏に 忘れた気持ち
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ゆらゆらり こくこくこくり ゆらゆらり まどろみのなか 君を見つめる
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釣り好きの息子の入れ知恵で オニヤンマ 蜂避けグッズを追加招集
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ねこ母の美容院より チビ猫のお誕生月健康診断(優先順位)
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100円にも満たぬコロッケパンだけど 甘くて美味しいじゃがいもなりや
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祖母はゆく重い扉を開けられて祖母だけ知らぬ老人ホーム
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大きすぎ 掘っては埋めてまた埋めて 芋掘り遠足 手ぶらの私
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黄と白のまんまる菊にすすき添え造花飾ればお月見の日よ
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ふっとみた 夫のインスタで 息子の笑顔はじけてる 顔出しNGですよ
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虫クジで 夏にもらった カブトムシ たまご残して 秋に果てる
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朝7時 帰りも7時 月の休みは 9日間で 何が出来よう
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もしかして 咲き始めたか 金木犀 クンクンクンと 鼻は忙し
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茶もいらぬ 駄菓子のように 食べ散らかす そんな夫から 高級菓子隠す😁
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四年ぶり 明日に迫った運動会 我が息子は風邪をひいてる
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休みます 有休ないけど仕方ない 子の健康には変えられぬ
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無花果をコトコト煮ると秋がくる 友がつくりしコンポート待つ
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秋晴れと 蜂の怖さを天秤に しばし悩みて シーツ洗い干す
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若き頃 老人の病棟と 揶揄せしも 病老の待合 今その真ん中に在り
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舞い込んだ黒い蜻蛉と秋風が倉庫の中を鼓舞して回る
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水温の高きに帰れぬ鮭なのか故郷目指し迷子が増える
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神風や御裳濯川の底までも千歳をかけて澄める月影
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三笠山あめのしたもるしるしぞとさし出づる月の影のさやけさ
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爽やかな 朝ドラ終わり 感動す 清し涙が 今日のはじまり
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いつはあれど秋こそものの悲しけれ草葉に増さる袖の白露
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池水の底に宿借る月見れば旅寝重ぬる秋ぞ悲しき
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